強気セズル【フィンテック】セズル(SEZL)の将来性:目標株価は500ドル!最新の決算分析を通じて今後の株価見通しに迫る!
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- 本稿では、注目の米国フィンテック銘柄であるセズル(SEZL)の最新の財務&バリュエーション分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- 同社は「BNPL:Buy Now Pay Later」分野での強力な成長性や収益性、革新的な機能により、市場の不安定さや競争にもかかわらず、魅力的な投資先であるように見えます。
- 2025年には売上高が前年比35%増、1株当たり利益(EPS)が前年比40%増と予測され、将来の予想フリーキャッシュフローに基づくバリュエーションは31倍となっています。
- 空売り投資家による懸念があるものの、ほぼ中立的なバランスシートと強力な第4四半期の業績により、同社は今後の成長や株主価値の向上に向けた好位置にあると見ており、目標株価として500ドルを設定しています。
セズル(SEZL)を新たにポートフォリオに追加!
セズル(SEZL)を私のポートフォリオに再度追加することを決定し、同社に対して現時点で「強気」で見ています。
調整を待つ必要はなく、まずポートフォリオのポジションの2.5%を投資し、その後4~6週間以内に、できれば今日のエントリーポイントよりも安くさらに2.5%を追加投資することを目指しています。
そして、私の同社株式の目標株価は2026年夏までに1株あたり500ドルとしています。同社株式を組み入れ後も、私のポートフォリオにはもう1銘柄を追加する余裕が残っています。
私のポートフォリオの最新の動向に関しては、下記のレポートをご覧ください。
セズル(SEZL)に対する見解
セズル(SEZL)はこれまでに激しい値動きを見せてきた銘柄です。最初はオーストラリアの証券取引所から上場廃止となり、その後Nasdaqに上場しました。この経緯から、突如として急成長を遂げ、多くの注目を集めることとなりました。
その後、同社に対する空売りレポートが出され、株価が急落。しかし現在、非公式ながら第4四半期の業績予想を上回るとの発表がありました。
これまでの経緯を考えると、この株は決して「心臓の弱い人向け」ではありません。それでも、今がこの銘柄に投資を始める良いタイミングだと考えています。現在の株価である1株約315ドルは妥当なエントリーポイントであり、将来の予想フリーキャッシュフローの約31倍(もしくはそれ以下)というバリュエーションで取引されています。
そして、2026年夏までの同社株式の目標株価として1株500ドルを見込んでいます。
セズル(SEZL)の短期的な見通し
セズル(SEZL)はカナダに拠点を置く「BNPL:Buy Now Pay Later 」サービスを提供する企業です。同社のプラットフォームを利用することで、購入者は欲しいものをすぐに手に入れ、後から分割払いで支払うことができます。
これは、買い物を待つことなく柔軟に予算を管理できる仕組みと考えられます。利用者にとって非常に便利で、支払いを4回の分割にすることができ、しかも多くの場合、金利がかからないため、高額な商品も手が届きやすくなります。
さらに、同社は利用者が計画的に買い物をしながらクレジットを構築できる点でも魅力的です。加えて、サブスクリプションや新しい「オンデマンド」オプションなどの機能を取り入れ、買い物をより便利で使いやすいものにしようと努力しています。
優れた収益性、消費者満足度への注力、そして魅力的な新ツールの導入を進める同社は、競争の激しい「BNPL:Buy Now Pay Later 」市場でさらに成長を続ける可能性を秘めています。
セズル(SEZL)の売上高:2025年の売上高成長率は+35%の可能性
セズルの売上高成長率(%)
(出所:筆者作成)
現在の段階で2025年の見通しを明確に予測するのは難しいですが、セズル(SEZL)の売上成長率が大幅に減速する可能性を見込むのが妥当だと思われます。
現在の年間成長率が65%以上という高水準にあるものの、これが緩やかになると予想しています。ただし、その減速幅がどの程度になるのかが重要なポイントです。
そのため、2025年には売上高成長率が+35%程度になると考えています。
私としては、安全マージンを確保するため、売上成長率が前年比約35%に減速するという前提で考えています。
ただし、約1か月後に同社が正式な2024年度第4四半期の決算報告を発表する際、その場で2025年の正式な業績ガイダンスが示される見込みです。その時点で、この数字を改めて見直すことができるでしょう。
この35%の前年比売上成長率を前提として、次に同社のバリュエーションについて議論していきます。
セズル(SEZL)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの31倍
私はインフレクション型投資家として、柔軟なバランスシートを持つ企業を好みます。これにより、経営陣は事業への再投資や株主への資本還元を行う自由度が高まり、追加の安全性が確保されるためです。
因みに、インフレクション投資とは、企業や市場が大きな変化点(インフレクションポイント)を迎えるタイミングに焦点を当てて投資を行う戦略のことを指します。この投資アプローチでは、企業が急成長する可能性が高まる局面や、収益性や市場シェアの大幅な変化が起こるタイミングを特定し、利益を最大化することを目指します。
セズル(SEZL)は最新の2024年第3四半期末時点で約1,400万ドルの純負債を抱えていました。これは特別に強力とはいえないものの、季節的に好調な第4四半期を経て、この数字は約500万ドルの純負債、もしくはバランスシート上で現金9,300万ドルと負債9,300万ドルが一致する「実質的に負債ゼロ」の状態に近づくと期待しています。
さらに、前述の通り、同社は2024年第4四半期のEPS(1株当たり利益)を正式には公表していませんが、以前のガイダンスを上回る見通しであることが示されています。
したがって、「以前のガイダンスを上回る」という表現の意味は、少なくともEPS(1株当たり利益)が前回のガイダンスを5%以上上回ることを示していると考えます。
そのため、2024年の同社のNon-GAAPベースのEPSは10.30ドルになると予想しています。これは非常に堅実な数字ですが、今重要なのは、2025年に投資家が期待できるEPSがどの程度になるかという点です。
現時点では、同社の事業運営レバレッジに大きな問題が生じない限り、2025年のNon-GAAPベースのEPSは少なくとも13.90ドルになると考えています。この数字はあくまで現段階の予測であり、2月末に予定されている第4四半期の業績発表やその後の動向に応じて、上下に修正する可能性があります。
これにより、投資家は2025年に前年比40%以上という驚異的なEPS成長率を示す企業に対し、Non-GAAPベースの予想EPSの約22倍で投資することを求められることになります。
さて、フリーキャッシュフローについてですが、同社はこの重要な指標についてガイダンスを提供していないものの、2024年のフリーキャッシュフローは4,500万ドル前後、もしくはそれ以上になると予想しています。これは、第4四半期が季節的に最も強い時期であり、ホリデーシーズンと重なるためです。
したがって、2025年には前年比40%の成長というEPS予想に沿ったペースでフリーキャッシュフローも増加すると見込み、約6,100万ドルに達すると推測しています。
これに基づくと、投資家は現在、セズルの予想フリーキャッシュフローの約31倍で投資することが求められます。さらに重要なのは、同社が依然として成長モードにあり、今後、事業が成熟するにつれてフリーキャッシュフローの効率をさらに最適化する余地が十分にあるという点です。これにより、私が推定する31倍というバリュエーションも、さらに割安に感じられる可能性があります。
セズル(SEZL)を取り巻く考慮すべきリスク要因
私個人としては、セズル(SEZL)に関する空売り投資家の主張は誤りであると強く信じています。しかし、投資の世界では、空売り側の主張が間違いであることを市場が明白に証明するまでは、空売り側が正しいと見なされるのが現実です。
空売り側は、同社が「数字を操作している」という強い言葉で主張しました。さらに、それがヒンデンブルグ・リサーチ社(Hindenburg Research)のような「有名」な名前によるものだと、多くの投資家が過剰に不安を感じてしまう傾向があります。
因みに、ヒンデンブルグ・リサーチ社は、米国に拠点を置く調査会社で、特に企業の財務上の不正や不透明なビジネス慣行を暴露する活動で知られています。同社は2017年に設立され、創設者であるネイサン・アンダーソン氏(Nathan Anderson)を中心に、企業の精査や空売り(ショートセリング)に関する分析を行っています。
そして、私の考えでは、セズルが第4四半期決算(2024年2月末予定)の発表や監査済みの結果を伴わずに「操作された数字」を出してくることは考えられません。同社は、最終的に発表される数字が真実であることを認識しているからこそ、決算以外の場であえて操作された数字を示すようなリスクを冒すことはないでしょう。
実際のところ、株価はすでに大きな打撃を受けており、この段階で数字を操作して空売り側の主張にさらに燃料を与える必要はありませんでした。
それを踏まえても、事実として、この分野には非常に多くの競合が存在しており、同社は限られた市場シェアを争うために非常に激しい競争を強いられています。「BNPL:Buy Now Pay Later」分野の競合全てを挙げることは不可能ですが、同社が直面している課題を考える上で、いくつかの例を挙げてみます:
・アファーム・ホールディングス(AFRM)
・ペイパル(PYPL)
・Klarna
・Apple Pay(AAPL)
これらは競争の激しさを物語るほんの一例に過ぎません。
セズル(SEZL)に対する結論
セズル(SEZL)の予想フリーキャッシュフローの約31倍というバリュエーションは非常に魅力的だと感じます。
ほぼ中立的なバランスシートでありながら、同社の強力な成長見通し、収益性、そして競争の激しい「BNPL:Buy Now Pay Later」分野での革新力は際立っています。
同社は消費者と株主の双方に価値を提供することに注力しており、2025年には35%の売上成長率と40%のEPS成長率が予測されています。このことから、同社は非常に魅力的な投資機会として位置づけられると考えています。
これらの基礎的条件を踏まえ、2025年夏までに1株500ドルという目標株価を設定しており、私のポートフォリオに加えるべきインフレクション銘柄であると考えています。
そして、本日の寄り付きにて同社株式をポートフォリオに組み入れる予定です。
本稿は以上となります。
また、私はテクノロジー&エネルギー銘柄に関するレポートを毎週複数執筆しており、私のプロフィール上にてフォローをしていただくと、ポートフォリオへの新規組み入れや除外の際に私が最新のレポートを執筆する度に、リアルタイムでメール経由でお知らせを受け取ることができます。
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アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
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