米国のリセッションはいつなのか?様々なマクロ経済市場の分析を通じて、2025年度のアメリカ経済の見通しに迫る!
ジェームズ・ フォード- 本稿では、「米国のリセッションはいつなのか?」という疑問に答えるべく、様々なマクロ経済市場の分析を通じて、2025年度のアメリカ経済の見通し、並びに、自身のマクロETFポートフォリオの最新の動向を詳しく解説していきます。
- 米国経済は堅調でソフトランディングの可能性がある一方で、ヨーロッパや中国など海外経済には深刻なリスクが存在します。
- マクロ経済指標は全体的に改善傾向を示しており、自身のマクロETFポートフォリオは防御的な姿勢を維持しつつ、iシェアーズ・シルバー・トラスト(SLV)を追加しています。
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※「2025年度アメリカ経済の見通しは良好も、円キャリートレード、AIバブル崩壊の可能性、地政学的リスクには要警戒!」の続き
前章では2025年度のアメリカ経済を占う上で注目すべき3つの点に関して詳しく解説しております。
本稿の内容への理解をより深めるために、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上にて、前章も併せてご覧ください。
マクロマトリックスの最新情報
ここで、マクロマトリックスを更新します。
(出所:筆者作成)
本稿の内容を一層理解するために、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上より、下記のレポートを併せてご覧ください。
マクロ・マトリックスとは?
流動性
流動性の見通しは、追跡してきた指標の中でも最も大きな変化を見せています。
最近のデータや動向を考慮すると、状況が改善する前にさらに悪化する可能性があります。
(出所:GMI)
注目されているこのチャートでは、総流動性が減少傾向にあることが示されており、特にビットコイン(BTCUSD)を含むリスク資産で調整が起こる可能性を示唆しています。
米国 - AAII投資家センチメント調査 - Zスコア / US - AAII Investor Sentiment Survey - (Z-Score)
(出所:MacroMicro)
非常に興味深い点として、市場が高値を更新している一方で、弱気の見方が上昇傾向にあります。
これは、極端な強気が伴う市場の天井とは一致しない現象です。
MMリセッション確率 / MM Recession Probability
(出所:MacroMicro)
景気後退確率の指標は10月に低下し、世界的に多くの経済指標が改善傾向を示しています。
CLIディフュージョン・インデックス / CLI Diffusion Index
(出所:MacroMicro)
CLI拡散指数はピークを迎えたように見えますが、経済が近いうちに転換する可能性を示唆しています。
それでも、まだ少し上昇の余地が残されているようです。
クレジットスプレッド / Credit Spreads
(出所:MacroMicro)
クレジットスプレッドは依然として歴史的にタイトな状態ですが、先月にはわずかに上昇する動きが見られました。
この傾向が今後2カ月間続くようであれば、市場の調整を示唆するさらなる確証となるでしょう。
台湾の輸出 / Taiwan Exports
(出所:MacroMicro)
台湾の輸出は10月に回復を見せ、株式市場の強気トレンドを支えています。
MM製造サイクル指数 / MM Manufacturing Cycle Index
(出所:MacroMicro)
製造業サイクル指数も上昇傾向にあり、米国経済に根本的な弱さがあるという主張を裏付ける材料が見当たりません。
半導体販売 / Semiconductor Sales
(出所:MacroMicro)
世界の半導体売上高は先月も増加しています。
AIバブルの可能性はありますが、崩壊するにはまだ時間がかかるでしょう。
リビジョン・インデックス / Earnings Revision Index
(出所:MacroMicro)
リビジョン・インデックスが示唆していた下落の可能性は第4四半期には実現しませんでした。
現在、リビジョン・インデックスは再び上昇していますが、第1四半期に弱さが見られる可能性は残っています。
サーム・ルール / Sahm Rule
(出所:MacroMicro)
サーム・ルールはピークを過ぎて低下しており、雇用は引き続き健全な状態を維持しています。
滞納率
(出所:MacroMicro)
滞納率は米国消費者の健康状態を把握するための良い指標です。
確かに上昇傾向にありますが、依然として過去の懸念水準には達していません。
マクロ経済の要点とポートフォリオの更新
全体として、現状は次のように見えます。
米国経済は非常に堅調で、1995年のようなソフトランディングの可能性が十分にあります。
しかし、海外には非常に深刻な警告サインが見られます。
・円キャリートレードのリスク
・ヨーロッパ経済の弱さ
・中国経済の低迷
例えば、フランスのクレジットスプレッドを見れば、これも明確な警告サインの一例と言えるでしょう。
(出所:Bloomberg)
全体的に見て、大規模な売りや清算イベントが発生する可能性があります。
しかし、米国の現在のマクロデータに基づけば、私は「下落局面で買い増す」戦略が有効だと考えます。
これは、S&P 500(SPX)が天井に近いという見方とも整合性があります。
一時的に急落した後、波Bの反発が起こる可能性があると見ています。
(出所:TrendSpider)
ポートフォリオの現状
ポートフォリオは現金比率を約40%に保ち、やや防御的な姿勢を取っています(詳細はこちら)。
iシェアーズ・シルバー・トラスト(SLV)をポートフォリオに追加
今回の下落を利用し、iシェアーズ・シルバー・トラスト(SLV)を新たにポートフォリオに加えます。
(出所:TrendSpider)
現在、SLVは200日指数平滑移動平均線(EMA)付近に位置しており、銀は引き続き金融インフレに対する優れたヘッジ手段となると考えています。
短期的にはさらに下落する可能性があるものの、長期保有に適した資産です。
本稿は以上となります。
加えて、直近では米国株の2025年度の見通しと、著名投資家であるドラッケンミラー氏の今後の米国経済見通しに関する下記の詳細な分析レポートも執筆しております。
米国経済、並びに、米国株式市場への理解を一層深めるために、是非、こちらも併せてご覧いただければと思います。
米国株の2025年度の見通し
ドラッケンミラー氏の今後の米国経済見通し
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アナリスト紹介:ジェームズ・ フォード
📍米国マクロ経済&テクノロジー担当
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