【AI】スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)株価予想:目標株価は60ドル?AI需要の高まりと着実な成長に注目!

- 本稿では、注目の米国AI関連銘柄であるスーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)の最新の財務分析を通じて、同社の株価予想、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- AI需要の高まりと同社の着実な業績を背景に、同社の株価は2026年夏までに60ドルまで上昇する可能性もあると考えています。
- これまで信頼性に対する懸念があったものの、現在の同社は割安に放置されており、高成長と強力なフリーキャッシュフローの創出を両立しており、魅力的な投資先であるように見えます。
- 2026年度の売上は35%以上の成長が見込まれ、フリーキャッシュフローも15億ドルまで回復する予想であり、予想フリーキャッシュフローの17倍という水準は割安感があるように感じます。
- 株式市場の先行きに不透明感がある中でも、過小評価されているタイミングでの投資は大きなリターンにつながる可能性があり、同社はまさに大きな転換点を迎えつつあると考えています。
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)のポートフォリオへの組み入れを決定!
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)は、投資家の信頼を徹底的に損ないました。
財務状況の過大報告から収益予測の下方修正に至るまで、考えられるあらゆる誤りを犯してきました。その結果として、企業価値が大きく損なわれる事態に至ったのです。
私自身、単に「株価が安いから」という理由だけでその銘柄をポートフォリオに追加することはありません。しかし、企業の成長速度が速く、かつ割安である場合には、その銘柄は非常に魅力的になり得ると考えています。
さらに、割安で急成長しており、フリーキャッシュフローも力強いとなれば、注目せざるを得ません。同社の場合は、収益性が急速に拡大しているだけでなく、企業に対する見方が変わる大きな可能性を秘めていると考えています。そして、その企業のイメージを変える唯一の要素は「時間」だと見ています。そして、その変化が起きたときには、リターンを得られる機会が訪れる可能性があると考えています。
これらを踏まえた上で、私は再び同社をポートフォリオに追加したいと考えており、2025年夏までの目標株価は60ドルとしています。
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)を取り巻く重要な背景
ここ最近の市場は非常に厳しい状況が続いています。不確実性が高く、多くの疑問や恐怖が渦巻き、投資家のリスク許容度も低下しています。そのため、「リスクの高い」銘柄に手を出すタイミングとは思えない方も多いかもしれません。
しかし、私はこのような「常識的に聞こえること」が、実際の市場ではむしろ逆の行動を取るべきだと考えています。つまり、株式市場が売り込まれた後こそが、参入すべきタイミングということです。
誤解のないように申し上げますと、私の仕事は景気後退を予測することではありません。
今回の下落も予測していたわけではありません。私の役割は、できるだけ早く資本を成長させることで、下落局面が来た際に備える「クッション」を築くことであると考えています。そしてまさにそれを実行してきたため、2024年以降も私は大きく市場をアウトパフォームし続けているのです。
とはいえ、これで株価が底を打ち、今後まっすぐ上昇していくとお考えでしょうか?残念ながら、株価は決して一直線には動かないものです。
過去を振り返ると簡単に見えることも、リアルタイムで見ると決して容易ではありません。株価は波のように上下に揺れ動き、私たちは常に「不完全な情報」で投資を行わなければなりません。物事がどのように展開するか、正確に知ることはできませんし、全ての答えが揃っているわけでもないのです。
しかし、期待値が低いときに企業に投資するのであれば、すべての正解を持っている必要はなく、おおよそ正しい方向性を持っていれば十分であると考えています。
そのため、私は再び同社のポートフォリオへの追加に踏み切っているのです。
(出所:筆者作成)
以前、同社をポートフォリオに追加した際(2024年11月20日に組み入れ、2024年12月3日に除外)には、短期間で70%以上のリターンを計上し、非常に良いタイミングだったと思っています。それは偶然だったのでしょうか?投資においては、常に多少の運の要素があるのは事実です。しかし、期待値が低いときに買うのであれば、株価が既に高くなった後に投資する場合と比べて、運に頼る割合ははるかに少なくて済むと考えています。
私のポートフォリオの最新動向は、インベストリンゴのプラットフォーム上より下記のレポートをご覧ください。
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)とは?
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)は、クラウドコンピューティングやAI向けに設計されたコンピューターサーバーを専門としており、システムのカスタマイズと電力効率および運用コストの最適化を両立できる点で際立っています。
同社の大きな強みの一つは液冷技術にあります。これにより、エネルギー消費を大幅に削減でき、AIブームの中で極めて重要な要素となっています。
もちろん、同社だけがこの分野で活躍しているわけではなく、セレスティカ(CLS)やデル・テクノロジー(DELL)などの競合企業も存在していますが、スーパー・マイクロ・コンピューターが高成長市場に位置づけられているように見えます。
そして、今回注目すべきなのは、企業のストーリー性ではなく、「このビジネスが2026年度の売上目標にどれほど近づけるのか」という点にあります。
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)の売上高:2026会計年度は前年比35%以上の成長へ
スーパー・マイクロ・コンピューターの売上高成長率(%)
(出所:筆者作成)
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)の2026会計年度は、2025年7月から始まります。したがって、経営陣が2026年度の売上高を400億ドルに達すると見通していることは、非常に注目すべき目標と言えます。これは、2026年度に約50%の前年比成長率を意味することになります。
もちろん、この経営陣には時折、事実を誇張する傾向があることも踏まえ、過去2年間においてアナリストの売上予想をどれほどの頻度で外してきたかを確認してみました。
すると驚くべきことに、同社にまつわるネガティブな話題はさておき、同社がアナリストの予想を1%以上外したケースはほとんど見られませんでした。
(出所:Seeking Alpha)
これは、市場でネガティブな印象が広がっている企業であっても、実際のデータはそれとは異なる場合の典型的な例の一つです。
同社のファンダメンタルズのプラス面とマイナス面を総合的に見たうえで、直近でBDO USA(いわゆる「ビッグ4」以外でトップ5に入る監査法人)による財務監査を受けた結果を踏まえると、同社は成長フェーズにあるように見えます。
つまり、2026会計年度において、同社が前年比40%以上の売上成長を実現する可能性は高いということです。
とはいえ、私はすでに同社が目標としている400億ドルの売上には到達しないという前提で見積もっています。より保守的な見方として、来年度の売上は330億ドルになると予測しており、この数字はアナリストの予想とも一致しています。
(出所:Seeking Alpha)
このことからも、同社が来年度に前年比35%以上の売上成長を達成するべきだという私の主張が裏付けられます。
それでは、この前提をもとに、次は同社のバリュエーション(企業価値評価)について見ていきましょう。
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)のバリュエーション:来年度の予想フリーキャッシュフローの17倍
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)は、約7億ドルの純負債を抱えています。これはあまり好ましい状況ではありません。本来であれば、純キャッシュ比率が5%程度あることを投資の前提条件として重視していますが、今回はその点を妥協しています。ただし、今後さらにバリュエーションの詳細をご説明する中で、私がこの銘柄をポートフォリオに追加する理由をご理解いただけるはずです。
私は、同社が2026会計年度において、およそ15億ドルのフリーキャッシュフローを計上すると見込んでいます。
直近の四半期では、サプライヤーへの支払いを迅速に行わなければならなかった一方で、顧客に製品を受け取ってもらうために譲歩を強いられたことから、フリーキャッシュフローが圧迫されました。同社の置かれていた状況が厳しかったためです。
この影響で、運転資本の一時的な変動によりフリーキャッシュフローはマイナスとなりました。しかし、こうした運転資本の変動は今後数四半期のうちに改善・安定すると考えています。
ここで、私の計算をご紹介します。2025年上期において、SuperMicroは7億4,400万ドルのGAAPベースの純利益を計上しました。これを年間ベースで倍にすると、2025会計年度(6月に終了予定)では約15億ドルの純利益になると見込まれます。
さらに、2026会計年度において売上が前年比35%増加すると仮定すれば、同社の純利益は少なくとも20億ドルに達する見通しです。
とはいえ、私は常に安全余裕を持たせる方針を取っています。そのため、2026年度のフリーキャッシュフローは控えめに見積もり、15億ドルと設定しました。これにより、現在の株価は来年度の予想フリーキャッシュフローの17倍となります。
つまり、PEGレシオ(株価収益成長率)で見れば、3倍未満は割安とされる中で、この銘柄は非常に魅力的な水準にあると判断できます。なお、私は利益ではなくフリーキャッシュフローを基準に使用しています。以下がその計算式です:
「P(株価)÷ FCF(フリーキャッシュフロー) ÷ 成長率 = 0.49倍」
この結果から見ても、リスクとリターンのバランスは非常に良好であると考えています。
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)を取り巻くリスク要因
私の投資見解の大部分は、スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)が2026会計年度において約350億ドルの売上高に近づくという前提に基づいています。この数値は、経営陣が示している400億ドルというガイダンスに比べて保守的であると考えていますが、それでも今後数四半期のうちに「同社が来年度にその売上目標を達成できない」と明らかになる可能性は残されています。その場合、私の強気な投資シナリオは崩れ、この銘柄から撤退することを検討することになります。
もう一つのリスク要因は、2024年から2025年にかけて見られたAI需要の前倒しが、今後の四半期で予想以上のスピードで減速する可能性です。
そのような事態が起これば、市場には再び不安の波が押し寄せることになります。その結果、たとえ現在の同社の株価が割安であっても、投資家がAI需要の鈍化を過剰に織り込むことによって、将来的にさらに割安な水準まで株価が下落する可能性があります。
このような状況を見極める上で、私が最も重視している指標は、同社のフリーキャッシュフローマージンの動向です。それが安定しているのか、それとも圧迫されているのか。今後も注視し、随時アップデートしていきたいと思います!
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)に対する結論
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)は、ここから大きく反転上昇する可能性があると見ています。
過去の失敗によって市場からは厳しい評価を受けてきましたが、実際の数字はまったく異なるストーリーを語っていると考えています。2026会計年度には売上が35%以上成長し、フリーキャッシュフローも15億ドルまで回復する見込みであり、同社は決して苦しんでいるわけではなく、むしろ力強く成長しています。
市場のセンチメント(投資家心理)は低迷していますが、まさにそれこそが、この銘柄が反転に向けて動き出すタイミングである理由であると考えています。AI需要が依然として強く、同社が引き続き着実に成果を上げていく中で、同社に対する評価は、懐疑から信頼へと変化していくことでしょう。
来年度の予想フリーキャッシュフローのわずか17倍という評価は、株価が依然として大きく割安であることを示しており、ここから力強い再評価(リレーティング)が起こる余地があり、私は2026年夏までに60ドルという株価目標は現実的であると考えています。
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