中立スノーフレーク【テクノロジー】スノーフレーク(SNOW)の株価下落理由とは?最新の2025年第4四半期決算では売上高成長率の鈍化が顕著!

- 本稿では、注目の米国テクノロジー関連銘柄である「スノーフレーク(SNOW)の株価下落理由とは?」という疑問に答えるべく、2025年2月26日に発表された最新の2025年第4四半期(暦年:2024年第4四半期)決算分析を通じて、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- 私は同社の最新の業績に失望しており、市場が安定したタイミングで同社株式をポートフォリオから除外する予定です。以前は同社に対して大きな期待を寄せていましたが、今回の決算を踏まえて見方を変えています。
- 同社の成長率は前年比で20%台半ばまで鈍化しており、バリュエーションの魅力が薄れたことで、同銘柄への関心も低下しました。
- 現在の株価は将来の予想フリーキャッシュフローの50倍程度で取引されていますが、成長鈍化や競争激化を考慮すると、それほど魅力的には感じません。
- 私は高い確信を持てる銘柄や、大きな上昇余地のある投資機会を求めていますが、同社はもはや私の条件に当てはまりません。そのため、市場がリスクオンに転じたタイミングで除外する予定です。
スノーフレーク(SNOW)は最新の2025年度第4四半期決算を発表!
スノーフレーク(SNOW)は、2月26日に最新の2025年度第4四半期(暦年:2024年第4四半期)決算を発表しております。
そちえ、同社は以前は私が大きな期待を寄せていた銘柄です。
この結果に失望する読者の方もいるかもしれませんが、正直なところ、私はこの業績に満足していません。不人気になるとしても、難しい決断を下さなければなりません。
数週間後、市場が安定したタイミングで同社をポートフォリオから除外する予定です。現時点では、市場のリスク回避の姿勢が明確であり、売却には適していません。しかし、数週間、あるいは数カ月後に市場が再び活況を取り戻した際には、除外するつもりです。
以前は、目標株価として同社が2026年初頭までに1株250ドルに到達すると予想していましたが、その見立ては誤りでした。
最大の問題は、同社がもはや年率30%以上の高成長を維持できなくなったことです。成長が鈍化すれば、投資家はバリュエーションにより注目するようになります。
現時点では同社のバリュエーションは魅力的に見えますが、半年後には平凡で中途半端な銘柄になっている可能性が高いと考えています。
そして、2025年は厳しい決断を下す必要があります。2024年のパフォーマンスに頼るわけにはいきません。本当に将来性を信じられない銘柄は、どれだけ期待していたとしても容赦なくカットしていくつもりです。
スノーフレーク(SNOW)を取り巻く重要な背景
私は、スノーフレーク(SNOW)を1株160ドル前後(本稿執筆時点の株価:173ドル)でポートフォリオに組み入れました(詳細はレーティング一覧をご覧ください)。
私は、この企業が今後12カ月で年平均成長率(CAGR)約30%のペースで急成長を続けると考えていました。また、強固なバランスシートを持つことを踏まえれば、将来のフリーキャッシュフローの約56倍というバリュエーションは十分に納得できる水準であると見ていました。
特に、DeepSeekやOpenAIの進展によって、SnowflakeがAI分野の主要な恩恵を受ける立場になれば、その成長余地はさらに広がり、結果として、2026年初頭までに1株250ドルを想定していました。
そして、私は、「この企業が年率30%近い成長を維持できる限り、将来の予想フリーキャッシュフローの56倍というバリュエーションを許容できる」と考えていました。
しかし、今後の売上成長率が20%台半ばまで鈍化する見通しとなり、この銘柄に強気である理由がなくなったと感じています。
そのため、しばらく様子を見て、市場がリスクオンのムードになった数週間後、あるいは数カ月後に、同社をポートフォリオから除外するつもりです。
スノーフレーク(SNOW)とは?
スノーフレーク(SNOW)は、企業が大量のデータを簡単に保存・分析・共有できるデータプラットフォームです。
高性能なオールインワン型のデータウェアハウスのようなもので、大規模なIT管理が不要なのが特徴です。企業にとっては、データのサイロ化を解消し、シームレスにコラボレーションできるだけでなく、大規模なAI分析をエンジニアの大軍を抱えずに実行できる点が魅力となっています。
同社の主な顧客層は、大手企業であり、データ分析をコスト効率の良いものと考えている企業です。しかし、Forbes 2000のリストに載っている企業を超えると、同社の価格を支払える企業はそれほど多くありません。これが弱気の見方につながるポイントです。
限られた顧客基盤に対して、どれほどの消費拡大やクロスセルが期待できるでしょうか。現在、同社には年間100万ドル以上を支払っている顧客が580社存在します。そのうち、年間3,000万ドル以上を支払っている企業はおそらく10社程度でしょう。つまり、すでに主要な顧客層の拡大余地は限られている可能性があります。
決算説明会では、同社は顧客の利用増加を強調していましたが、今回の業績を見る限り、その影響はまだ実感できません。
一方で、同社は製品開発を強化し、新機能のリリースを加速させているとも述べています。これにより、さらなる導入促進が期待されます。
しかし、私は懐疑的というのが本音です。
スノーフレーク(SNOW)の売上高:成長率は20%台半ばで推移する可能性
スノーフレークの売上高成長率(%)
(出所:筆者作成)
スノーフレーク(SNOW)の成長ペースは、私の予想よりも鈍化しています。
同社が慎重なガイダンスを出す傾向にあることは理解していますが、それを考慮した上で2026年度の成長予測を立てていました。
私は、同社が今年30%の前年比成長を達成できる前提でポートフォリオに追加しましたが、現実はそうではありませんでした。
この銘柄に対する唯一のポジティブな要素は、2026年度第1四半期が最も厳しい比較対象となる点です。そのため、この四半期を過ぎれば、2026年度後半に向けて成長率が再加速する可能性があります。
しかし、その翌年度はどうでしょうか?成長率はさらに加速するのか、それともこれがピークで、20%台半ばの成長率に落ち着くのでしょうか?
こうした点を踏まえ、バリュエーションについて議論していきます。
スノーフレーク(SNOW)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの50倍
スノーフレーク(SNOW)のネットキャッシュは、時価総額の約4%程度にとどまっており、私が期待するほど多くはありません。特に奇妙だったのは、2025年度に同社が自社株買いのために借入を行ったことです。私にとって、これは資本の適切な使い方ではありませんでした。財務的に健全な状態だったにもかかわらず、なぜ自社株買いのために財務基盤を弱める必要があったのでしょうか。これは理解しがたい決定でした。
今後の見通しとして、同社は2026年度に約12億ドルのフリーキャッシュフローを見込んでおり、現在の株価水準は将来の予想フリーキャッシュフローの約50倍に相当します。このバリュエーションは妥当ではあるものの、特に魅力的とは言えません。
総合的に見て、同社は「平均的な投資機会」に思えます。そのため、このポジションをさらに増やすべき明確な理由は見当たりません。
スノーフレーク(SNOW)を取り巻くリスク要因
スノーフレーク(SNOW)を取り巻く最大の懸念点の一つは、大口顧客の一部が契約を予想以上に早く消化してしまい、再契約を余儀なくされていることです。しかし、同じ条件で再契約を結べる保証はありません。
以下のネット収益維持率に関するデータが示す通り、顧客の消費傾向は急速に低下しています。
2023年度第4四半期:
2024年度第4四半期:
2025年度第4四半期:
この傾向が続けば、数四半期以内に消費率が120%を下回る可能性があり、その時点で投資家は収益性やバリュエーションに関してより厳しい質問を投げかけるようになるでしょう。
私は、そうなったときに同社を保有していたくはありません。
さらに、競争環境は非常に厳しくなっています。Databricks、Google BigQuery、Amazon Redshiftといった強力なライバルが市場シェアを争っているほか、一部の顧客はいまだにオラクル(ORCL)のようなレガシーシステムに縛られています。言い換えれば、この市場は「勝者総取り」にはならない可能性が高く、スノーフレークがこの分野で明確なリーダーになれるかどうかも不透明です。
スノーフレーク(SNOW)に対する結論
最終的に、私は「最高の投資アイデア」でポートフォリオのパフォーマンスを最大化したいと考えています。しかし、今回の最新の決算を受けて、スノーフレーク(SNOW)はもはやその条件を満たしていません。
成長が鈍化し、競争が激化する中で、予想フリーキャッシュフローの50倍という評価で投資を続けるのは、平凡なリターンに終わる可能性が高いと感じています。
実際、同社が今後成功する可能性はあるでしょう。しかし、私は「可能性」ではなく、「より高い確信」と「大きな上昇余地」を持つ投資機会を求めています。現時点では、同社は私の条件に当てはまりません。そのため、市場がリスクオンに転じた際には、このポジションを除外し、より有効に資本を活用するつもりです。
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加えて、今回の決算では、新たにユニティ・ソフトウェア(U)、トースト(TOST)、アップラビン(APP)、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)、ファイバー・インターナショナル(FVRR)、アップスタート・ホールディングス(UPST)、アトラシアン(TEAM)をポートフォリオに追加しており、下記の詳細な分析レポートも執筆しておりますので、インベストリンゴのプラットフォーム上より併せてご覧いただければと思います。
2025年2月中旬:米国株ポートフォリオ・アップデート
パランティア・テクノロジーズ(PLTR)
アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
📍テクノロジー&エネルギー担当
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