01/24/2025

アメリカ個人投資家協会(AAII)の調査:トランプ大統領就任に伴い強気派の割合が1年ぶりの低水準である25%から僅か1週間で43%に急上昇!

Investment Scrabble textローレンス・ フラーローレンス・ フラー
  • 本稿では、トランプ大統領就任に伴い強気派の割合が1年ぶりの低水準である25%から僅か1週間で43%以上に急上昇した、足元発表された最新のアメリカ個人投資家協会(AAII)の調査を含め、最新の経済データを基に、今後の米国株式市場の見通しを詳しく解説していきます。
  • S&P 500指数は取引終盤の勢いで過去最高値を更新し、個人投資家が上昇相場を主導する一方、機関投資家は慎重な姿勢を維持しています。
  • トランプ大統領の発言や新政権の規制緩和と減税の話題が市場心理を支え、機関投資家の市場参入を促す可能性があります。
  • 米国株の平均的な銘柄はテクニカル的なサポートを維持しており、広範な市場の力強さが新高値更新を期待させます。

最新のアメリカ個人投資家協会(AAII)の調査から、足元の上昇相場は個人投資家が牽引?

主要な市場平均は4日連続で上昇し、取引終盤の力強い動きによってS&P 500は6,100を超え、過去最高値を更新しました。

ダボスでの世界首脳に向けたトランプ大統領の「原油価格は下がるべきだ、その後金利も直ちに下げる必要がある」という発言に投資家たちは沸き立ちました。

しかし、現実の世界でそれが簡単に実現するかは別問題です。

原油価格が適度に安定しており、米国が過去最高の原油生産量を維持している今、ガソリン価格が1ガロン3ドル程度であることを考えると、この分野でできることは限られています。

一方で、金利については短期金利を中央銀行が、長期金利を市場がそれぞれ管理しています。

それでも、投資家たちはこうした発言を歓迎し、2025年の幕開けを好調な企業収益や堅調な経済指標とともに満喫しています。

週間失業保険申請件数は先週22万3,000件に増加しましたが、3年間の平均である22万件とほぼ一致しています。

(出所:Finviz)

2025年これまでの株価上昇で最も興味深い点は、ウォール街(機関投資家)が「メインストリート」とも呼ばれる個人投資家ほど積極的に参加していないことです。

ドイツ銀行のデータによると、政策の不透明性やFRB当局者の発言を受けた短期金利の動向への懸念から、機関投資家は年初に株式への投資比率を減らしていたことが分かっています。

大口投資家不在でも米国株は過去最高値に迫る

(出所:Bloomberg

さらに、先物取引を活用して市場ポジションを助言するコモディティトレーディングアドバイザー(CTA)も、2024年8月以来の低水準まで投資比率を引き下げていました。

当時はS&P 500が約10%調整した時期と一致しています。

しかし、現在ではこの慎重な姿勢が不要だったように思われます。

その結果、機関投資家の資金が多く待機状態にあり、出遅れによる大幅なパフォーマンス低下を避けるために市場に参入する必要が出てきています。

米国株式におけるCTAのポジショニング(10億ドル単位)

(出所:Bloomberg

一方で、最近のアメリカ個人投資家協会(AAII)の調査が示す通り、この上昇相場を牽引しているのは個人投資家のようです。

トランプ大統領が就任した週には、強気派の割合が1年ぶりの低水準である25%からわずか1週間で43%以上に急上昇しました。

普段ならプロの投資家と同じ立場を取る方が安心ですが、現在の企業収益の強さや高頻度経済指標の内容を考えると、今はウォール街よりもメインストリートに立つ方が良いと感じます。

AAII会員は今後6ヶ月間の株式市場の方向性をどのように予想しているか?

(出所:AAII

もう一つ投資家の心理に大きな影響を与えている要因として、新政権が進める規制緩和や減税の話題、さらに関税という逆風を和らげる姿勢があります。

この成長を促進するメッセージは、市場外に待機している機関投資家の資金を動かし、すでに絶好調の1月をさらに盛り上げるでしょう。

年初には、S&P 500の等加重指数(RSP)で測られる「平均的な銘柄」が200日移動平均線という長期的なサポートをしっかりと維持しました。

そして現在、50日移動平均線を再び上回り、7%の調整後、再び過去最高値に近づいています。

そのため、今期の決算発表で市場の広がりがさらに加速すれば、数週間以内に新高値を更新できると見ています。

(出所:Stockcharts

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