01/31/2025

強気
アトラシアン クラスA
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純現金ポジションは15億ドルですが、高いフリーキャッシュフロー転換率とNon-GAAPベースの営業利益率の改善により、同社の投資魅力は一層高まっているように感じます。
【テクノロジー】アトラシアン(TEAM)とは?目標株価は510ドル!最新の決算分析を通じて今後の株価見通しと将来性に迫る!

five person by table watching turned on white iMacマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、注目のテクノロジー銘柄であるアトラシアン(TEAM)の2025年1月30日発表の最新の2025年度第2四半期決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • アトラシアンの業績見通しの上方修正と収益性の拡大を踏まえると、来年度の予想フリーキャッシュフローの41倍という水準でも魅力的な投資先であると考えており、2026年夏までの目標株価として510ドルを目指せる可能性があると見ています。
  • 力強い売上成長、AIを活用したツールの拡充、そして大手企業との契約獲得により、同社は今後数年間で売上100億ドルの達成に向けた確かなポジションを築いています。
  • 純現金ポジションは15億ドルですが、高いフリーキャッシュフロー転換率とNon-GAAPベースの営業利益率の改善により、同社の投資魅力は一層高まっているように感じます。
  • ただし、金利上昇のリスクや、セールスフォースやマイクロソフト、さらにアサナといった競合企業によるAI活用のコラボレーションツールとの競争には注意が必要です。

注目のテクノロジー銘柄アトラシアン(TEAM)とは?

アトラシアンTEAM)は再び勢いを取り戻しています。同社は2025会計年度において、すでに2回目となる業績見通しの上方修正を行っただけでなく、収益性の向上も引き続き進めています。

私は全体的に慎重な見積もりを用いていますが、それでも同社は来年度の予想フリーキャッシュフローの41倍という評価を受けていると考えています。これは、同社が今後12カ月間にわたり積極的な投資を継続するにもかかわらずです。

来年度の予想フリーキャッシュフローの41倍(時間外取引での株価上昇を含む)という水準での投資は、非常に魅力的に感じます。

そして、私は、目標株価として、2026年夏までに同社の株価が510ドルに達する可能性があると見ています。

アトラシアン(TEAM)を新たにポートフォリオに組み入れ!

私がアトラシアンTEAM)をポートフォリオに新たに追加すると、ポートフォリオ内に現金が一切残らなくなり、決算シーズン中に生じるかもしれない新たな投資機会に対応できなくなります。

そのため、私は何かを売却して現金を確保する必要があります。私は、急に新しいポジションを取るためにその場で資産を売却するのではなく、あらかじめ余裕資金を持っておく方がはるかに良いと考えています。

そして、現時点で最も可能性が高いのは、インテュイティブ・マシーンズLUNR) または サムサラ(IOT) の売却です。これらは現在、目標株価に最も近づいているためです。

アトラシアンは、私が長年注目してきた企業です。しかし、これまで私はこの企業のバリュエーションが自分にとって適切だと感じたことはありませんでした。それにもかかわらず、この企業は長年にわたり、熱狂的な個人投資家の支持を受け、かつてのパランティア・テクノロジーズ(PLTR)のように「カルト的」ともいえる人気を誇っていました。

しかし、今はリスクとリターンのバランスが非常に魅力的だと判断し、私は同社をポートフォリオに追加することにしました。

ただし、ここで注意点があります。私は本日の株価上昇については考えておらず、時間外取引での急騰に惑わされるべきではないと見ています。重要なのは「今」ではなく、来年この株をあなたから買う投資家が何を考えるのかです。今のあなたの考えではなく、未来の市場参加者の視点を持つことが必要だと考えています。

また、同社はアサナ(ASAN)と競争関係にある部分もありますが、直接的な競争相手ではありません。アサナは主に一般的なビジネスチーム向けのプロジェクト管理ツールに注力しているのに対し、アトラシアン(特にJiraなどの製品)はソフトウェア開発者に広く支持されています。そのため、両社の戦略も異なります。

・アサナは現在フリーキャッシュフローの黒字化に向かっている段階であり、その分割安に評価されています。

・アトラシアンはすでに高い収益性を持っており、今後どれだけさらに利益を伸ばせるかが焦点となっています。

そして、本日、ポートフォリオの2.5%相当を同社に投資することを決定し、その後、4〜6週間待ち、株価が下がったタイミングでさらに2.5%を追加投資する予定です。

現在の株価が下がるのは想像しにくいかもしれませんが、市場が一時的に落ち着いたタイミングでより低い価格で購入できるチャンスがあると見ています。

なぜアトラシアン(TEAM)なのか?なぜ今なのか?

アトラシアンASAN)は、開発者がより効率的に協力できるよう支援するソフトウェアツールを提供しています。これは、プロジェクトをスムーズに作成し、効率的に進行させるためのデジタルワークスペースのようなものです。同社のプラットフォームにはAI機能が統合されており、コラボレーションをよりスムーズかつスマートに進めることができます。

Jira や Confluenceなどのツールを活用することで、組織内の縦割りを解消し、チーム全体の連携を強化する ことが可能になります。

決算説明会では、同社が今後数年間で年間売上100億ドルを達成することに注力すると改めて強調しました。

さらに、直近の成果として、シスコシステムズ(CSCO)を含む過去最多の100万ドル規模の契約 を獲得したことが挙げられます。これは、顧客からの信頼が一層高まっている証拠です。また、AIが今後さらに同社の製品群に組み込まれるにつれ、同社は世界の大企業にとって不可欠なコラボレーションプラットフォームとしての地位をより強固なものにするでしょう。

このような状況を踏まえ、次に同社のファンダメンタルズについて詳しく見ていきます。

アトラシアン(TEAM)の売上成長率の改善とガイダンスの引き上げ

アトラシアンの売上高成長率(%)

(出所:筆者作成)

アトラシアンTEAM)は、2024会計年度第4四半期時点で、今会計年度の成長率を16%と見込んでいました。この見通しを受けて、多くの投資家(私自身を含め)が同社を「かつての成長企業」と見なしていました。

しかし、2025会計年度第1四半期 には、業績見通しがさらに引き上げられ、成長率は約17% に上方修正されました。これは確かにポジティブなニュースでしたが、特筆すべきほどのインパクトではありませんでした。

そして現在、会計年度の半ばを迎えた時点で、同社は十分な成長の勢いを確認し、見通しを19%へと再び上方修正 しました。これはつまり、最終的には前年比20%の成長を達成する可能性が高い ことを示唆しています。

このように、事業規模を拡大しながら成長率を大きく改善できている点は注目に値します。プロの機関投資家にとっても非常に魅力的な成長ストーリーであり、高いプレミアムを支払ってでも投資を検討する理由となるでしょう。

それでは、次に同社の財務状況について詳しく見ていきます。

アトラシアン(TEAM)のバリュエーション:来年度の予想フリーキャッシュフローの41倍

インフレクション投資家として、アトラシアンTEAM)が約15億ドルの純現金ポジションを持っている点は魅力的 だと考えています。この金額は時価総額の約1.5%に相当するため、巨額のキャッシュとは言えませんが、それほど悪くもありません。正直なところ、私が理想とするほどの強固なバランスシートではなく、この点については多少の妥協が必要だと考えています。

しかし、私が特に同社に惹かれる理由は別にあります。それは、同社が通年を通じてNon-GAAPベースの営業利益率を拡大しており、現在約24%に達すると見込まれている点 です。

これにより、2026会計年度(2025年8月開始)には、Non-GAAPベースの営業利益率が26%に到達する余地が十分にあると考えています。

その結果、2026会計年度にはNon-GAAPベースの営業利益が約16億ドルに達する可能性があると思われます。そして、ここからが重要なポイントです。

同社は毎年の第1四半期にボーナス支給があるため、フリーキャッシュフローが季節的に低くなります。しかし、それ以降は着実に改善し、最終的に通期のフリーキャッシュフローはNon-GAAPベースの営業利益よりも約30%多くなる傾向があります。これは、同社が極めて高いフリーキャッシュフロー転換率を誇ることを示しており、非常に優れた特徴です。

つまり、2026会計年度には約21億ドルのフリーキャッシュフローを生み出す可能性があるということになります。これを考慮すると、現在の株価は来年度の予想フリーキャッシュフローの41倍で評価されている ことになります。

アトラシアン(TEAM)を取り巻くリスク要因

現在、テクノロジー株は全体的に割高に評価されています。これは、金利が今後ゆるやかに低下していく という市場の期待が背景にあります。しかし、何らかの理由で金利が再び上昇することになれば、成長株に対して投資家が支払う株価倍率(マルチプル)が圧縮される可能性があります。そうなると、今回の投資戦略にとって大きな打撃となります。

もう一つのリスク要因として、AIを活用したコラボレーションツールの競争が激化していること が挙げられます。私はすでにアサナ(ASAN)の株を保有しており、同社もこの分野で市場シェアの拡大を狙っています。また、セールスフォース(CRM)やマイクロソフト(MSFT)といった巨大企業もこの市場に大規模な投資を行っている ため、競争環境は一層厳しくなる可能性があります。

アトラシアン(TEAM)に対する結論

アトラシアンTEAM)を今ポートフォリオに組み入れることは合理的な判断であると考えています。なぜなら、力強い売上成長の勢い、利益率の拡大、そしてAIを活用したコラボレーションツールのスケール化への取り組みを同社が示しているためです。

さらに、2025会計年度の業績ガイダンスの上方修正に加え、2026会計年度には21億ドルのフリーキャッシュフローを生み出す可能性もあると見ています。そして、現在の株価は予想フリーキャッシュフローの41倍というバリュエーション水準であり、魅力的なエントリーポイントだと考えています。

また、同社は年間売上100億ドルを目標に掲げ、大規模な企業契約を次々と獲得しています。これらを踏まえると、2026年夏までに株価が510ドルに到達する可能性が十分にあると考えています。

さらに、その他のアトラシアンTEAMに関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクよりアトラシアンのページにてご覧いただければと思います。


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アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ

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