テラダイン(TER)今後の株価見通し:最新の業績は市場予想を下回るも、来期のガイダンスは予想を上回る着地で将来性に期待?

- 本稿では、注目の米国半導体銘柄であるテラダイン(TER)の2024年4月24日に発表された最新の2024年第1四半期決算の分析を通じて、同社の今後の株価展望と将来性を詳しく解説していきます。
- 2024年第1四半期のNon-GAAP EPSは前年同期の0.79ドルから0.51ドルに減少したが、売上高は予想を上回る6億ドルを記録しました。
- 第2四半期のガイダンスでは、HBM需要増加によりメモリテストのTAMが12~13億ドルに上方修正され、さらなる業績改善が見込まれています。
- コンピュート市場向けテスターの稼働率も高く、垂直統合型企業やエヌビディアが主な受益者で、テラダインにとって好調な結果が期待されています。
テラダイン(TER)の2024年第1四半期決算に関して
第1四半期決算
Non-GAAP EPS:0.51ドル(前年同期:0.79ドル)
売上高:6億ドル(ファクトセット予想:5億6,630万ドル)
第2四半期ガイダンス
Non-GAAP EPS:0.64ドル~0.84ドル(ファクトセット予想:0.60ドル)
売上高:6億6500万ドル~7億2500万ドル(ファクトセット予想:6億3650万ドル)
テラダイン(TER)は、2024年度第2四半期の業績が大幅に改善するとの見通しを示しています。
これは、特にメモリのTAM(獲得可能な最大市場規模)がHBMから上方修正されたことによるものです。
下記は最新の決算説明会における遣り取りの一部です。
(原文)In memory test, we are increasing our expectation TAM growth to $1.2 billion to $1.3 billion from our prior estimate of $1 billion to $1.1 billion, driven mainly by stronger demand for HBM, which we expect to grow 5x last year's level. As I'm sure you've noticed, our first quarter results and second quarter expectations are significantly above our view from January. For the full year, at the company level, we continue to expect low single-digit growth from 2023.
(日本語訳)メモリ・テストでは、主にHBMの需要増が牽引し、TAM成長率は事前予想の10億ドルから11億ドルから12億ドルから13億ドルに増加すると予想しており、昨年の5倍の成長を見込んでいます。お気づきのことと思いますが、第1四半期の業績および第2四半期の予想は、1月に発表した予想を大幅に上回っています。通期については、会社レベルでは、2023年から引き続き1桁台前半の成長を見込んでいます。
私が指摘したいのは、長期的なテスト市場と比較すると、メモリは若干のブレイクアウトが見られるということです。
そして、このことは、メモリ市場全体が、ここ数年よりもずっと良くなっている可能性を示唆していると見ています。
実際に、メモリ・テスト市場は2018年以降、10億ドル程度であり、そして、今、私は13億ドルと見積もっています。
これは、陳腐化したメモリ・テスト市場における大変革と言えるでしょう。
そして、これらはほとんど全てHBMによってもたらされています。
(原文)And then HBM we think is -- yes, we think that number is about $500 million. It's going to work upwards, but we think that number is above $500 million out of the $1.25 billion.
(日本語訳)そしてHBMは......そうですね、この数字は約5億ドルだと考えています。今後上方修正されるでしょうが、12億5,000万ドルのうち5億ドルを超える数字だと考えています。
また、彼らは、新しい垂直統合型(ハイパースケーラー)企業が自社製品をテストし始めるのを見始めています。
(原文)And this year, the primary beneficiary in terms of that end market is NVIDIA. What we're seeing now is that we are having some vertically integrated producers start to have significant ramps and they're already loading significant numbers of testers. The TAM in 2024 for compute is actually a little bit constrained below what it would otherwise be because these new entrants are actually able to work with their OSAT partners and convert idle testers that would have been in mobile into the compute space.
(日本語訳)そして今年、その最終市場という点で、主な受益者はエヌビディア(NVDA)となっております。現在、いくつかの垂直統合型メーカーが大幅な立ち上げを始めており、すでに相当数のテスターを投入しています。2024年のコンピュート分野のTAMは、実際には通常よりもやや制約されています。これは、新規参入者がOSATパートナーと協力し、モバイル分野でアイドル状態にあったテスターをコンピュート空間に転換できるためです。
(原文)So right now, the loading of compute testers is higher than it was than what you'd see in terms of the buys in the market. As mobile starts to come back, that means that there's less idle capacity to fill. It also means that the compute market is going to be translated into more direct buys.
(日本語訳)そのため、現在、コンピュート・テスターの稼働率は市場での購入量を上回るほど高くなっています。モバイルが復活し始めると、アイドル状態のキャパシティが減ることになります。それはまた、コンピュート市場がより多くの直接購入に変換されることを意味します。
これはテラダインにとって良い結果だったと言え、同社はいずれ循環的な上昇に転じる可能性があると見ています。
また、その他のテラダイン(TER)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、テラダインのページにアクセスしていただければと思います。
アナリスト紹介:ダグラス・ オローリン / CFA
📍半導体&テクノロジー担当
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