注目のDeepSeek(ディープシーク)関連株とテスラ(TSLA)&メタ・プラットフォームズ(META)の最新決算
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- 本稿では、私が注目する2つのDeepSeek(ディープシーク)関連株の紹介とテスラ(TSLA)&メタ・プラットフォームズ(META)の最新の2024年度第4四半期決算決算に関して詳しく解説していきます。
- テスラの決算では売上・利益が市場予想を下回る「ダブルミス」となったが、イーロン・マスク氏の前向きな発言により株価は回復し、完全自動運転(FSD)の展開計画が明らかになっています。
- メタ・プラットフォームズは引き続き高い成長を維持し、収益性の向上やAIの活用が評価され、1,000ドルに向かう可能性もあると見ています。
- DeepSeekの影響でAI業界に変化が起こる中、エヌビディア(NVDA)とアリババ(BABA)に注目しており、投資機会としての魅力が高まっているように見えます。
はじめに
テクノロジー企業の決算シーズンが本格化し、DeepSeek市場を揺るがす展開となっています。
テスラ(TSLA)とメタ・プラットフォームズ(META)は1月29日の引け後に決算を発表し、両社の株価は上昇しています。テスラは売上・利益ともに市場予想を下回る「ダブルミス」となりましたが、イーロン・マスク氏の発言が市場を安心させた一方で、メタ・プラットフォームズは引き続き好調な決算を報告しました。
また、DeepSeek関連のニュースが市場に影響を与え、当社のスイングポートフォリオも例外ではありませんでした。しかし、本日は順調に回復しており、今後の投資機会も十分にあります。
本稿では、調整局面を経て魅力的に見える2銘柄を取り上げます。
本稿のポイント
- ダブルミスなのにテスラが上昇した理由
- メタ・プラットフォームズが1,000ドルに向かう可能性があると考える理由
- 20%下落した今注目している銘柄
- 来週の決算前に注目している20%上昇中の銘柄
それでは、早速本題に入りましょう!
イーロン・マスク氏が市場を安心させる
テスラ(TSLA)は2025年1月29日に発表した2024年第4四半期に過去最高の車両販売台数を記録し、モデルYは世界で最も売れた車となりました。
しかし、同社の売上は前四半期比で8%減少しており、規模縮小が進んでいるのが現状です。
(出所:テスラの2024年度第4四半期決算資料)
テスラは売上・利益ともに市場予想を下回る結果となり、プレマーケットでは一時4%以上の下落となりましたが、その後回復し、最終的にはプラス圏、または横ばいで引ける見込みです。
イーロン・マスク氏は、テスラが今後も市場をリードすることに自信を示し、自動運転技術やロボティクスの進化が成長を牽引すると述べました。完全自動運転(FSD)は2025年6月までにオースティンで導入され、その後全米へ展開予定です。
(原文)Yeah, I'm confident that we'll release unsupervised FSD in California this year as well. Yeah, in fact, I think we will most likely release unsupervised FSD in many regions of the country of the US by the end of this year. Like I said, we're just putting our toe in the water, then a few toes, then a foot, then leg, then make sure everything is cool
(日本語訳)カリフォルニアでも今年中にFSDの無監視運転を実現できると確信しています。実際、多くの地域で年内に導入できる可能性が高いです。まさに、最初は足先を水に入れるように慎重に始めて、次は数本の指、足、そして脚全体へと進めていき、すべてが問題ないことを確認しながら展開します。
(出所:テスラの2024年度第4四半期決算説明会)
テスラは1台あたりのコストを35,000ドル未満に抑えることに成功しましたが、平均販売価格の下落により利益率が低下しました。
また、エネルギー貯蔵システムの導入は過去最高を記録し、上海メガファクトリーがその成長を支えています。
同社は2025年にヒューマノイドロボット「Optimus」を数千台生産する計画を発表しており、長期的に大きな収益機会を見込んでいます。
「言葉よりも行動が重要」と言われますが、イーロン・マスク氏に限っては例外かもしれません。誤解しないでほしいのですが、私自身テスラに投資しています。同社には大きな可能性があると考えており、市場が「愛されながら嫌われ、嫌われながら愛される」銘柄の代表格とも言えます。
ただ、客観的に見ても2025年はテスラにとって非常に重要な年となるでしょう。マスク氏とそのチームは、ついにその真価を証明しなければなりません。
(出所:TrendSpider)
私の運用するポートフォリオの1つである「スイングポートフォリオ」では、独自のアルゴリズムが買いシグナルを点灯させたタイミングでテスラを長期保有しています。興味深いことに、今回の調整局面では売りシグナルも出現しました。
メタ・プラットフォームズ(META)は1,000ドルへ向かうのか
メタ・プラットフォームズ(META)は私の運用するポートフォリオの1つである「YOLOポートフォリオ」の中でも特に好調な銘柄の一つであり、その理由は明白です。
(出所:Seeking Alpha)
同社は引き続き高い成長を維持しており、米国では四半期比20%以上の成長を記録し、欧州でも好調な業績を示しています。
さらに、同社は収益性を向上させており、1ユーザーあたりの平均収益(ARPU)も上昇しています。
(出所:Seeking Alpha)
この成長は、同社の非常に強い決算と今後の業績見通しにも反映されています。
(出所:メタ・プラットフォームズの2024年度第4四半期決算資料)
私の考えでは、同社はAIの恩恵を最も受ける企業の一つです。AIの活用により、同社の業務効率は大幅に向上すると予想されます。そのため、今後も高い成長を維持しながら、コスト削減と利益率の向上を実現していくと見ています。
2つの新たなトレードアイデア
DeepSeekがAI業界の構図を変えつつある中、市場では予想外の大きな動きが見られています。
ここでは、現在私が注目している2つの銘柄を紹介します。これらはペアトレードとして考えることもできるでしょう。
エヌビディア(NVDA)
(出所:TrendSpider)
確かに、DeepSeekの影響でエヌビディア(NVDA)の将来展望が変わる可能性はあります。しかし、それでも私はエヌビディアは長期的に保有することに値する優良企業であり、現在の調整局面は買いの好機だと考えています。
まず、仮にDeepSeekが「エヌビディアのGPUはそれほど重要ではない」と証明したとしても、エヌビディアのGPUは依然として最先端の製品であり、AIのユースケースが増えることで、結果的に同社の顧客層も拡大します。これは「ジェボンズの逆説」に当てはまります。
ジェボンズの逆説(Jevons Paradox)とは?
ジェボンズの逆説(Jevons effect)とは、技術革新によって資源の利用効率が向上し、単位あたりの消費量が減少する一方で、その資源の使用コストが低下することで総需要が増加し、結果的に全体の消費量が増えてしまう現象を指します。
現在、エヌビディアの株価は200日指数平滑移動平均線(EMA)のすぐ上に位置しており、ダブルボトムを形成する可能性があります。また、PEGレシオを考慮すれば、バリュエーションは妥当な水準にあるように見えます。
また、直近では、インベストリンゴの半導体&テクノロジー担当のウィリアム・ キーティング氏が、エヌビディアのCEOの最新の基調講演に関する詳細な下記の分析レポートを執筆しております。同社への理解を一層深めるために併せてご覧いただければと思います。
アリババ(BABA)
(出所:TrendSpider)
一方で、もしDeepSeekが本当に市場のゲームチェンジャーとなるのであれば、最大の恩恵を受けるのはアリババ(BABA)でしょう。同社は最近、自社開発のAIモデルを発表しましたが、このモデルはDeepSeekを超える性能を持つと評価されています。
現在、市場はアリババを買いに走っており、中国株全体もブレイクアウトの兆しを見せています。
(出所:TrendSpider)
実際、MSCI中国指数はテクニカル的にウェッジパターンを突破しました。今後の動きに注目が集まりそうです。
スイングポートフォリオの最新情報
では、私の運用するポートフォリオの1つである「スイングポートフォリオ」の状況、利益確定ポイント、新たなトレードについて簡単に見ていきましょう。
アリババ(BABA)の指値注文を92ドルで設定
(出所:TrendSpider)
現在のアリババ(BABA)は過熱感が強いと考えていますが、もし92ドル付近でEMAを再テストする場面があれば、追加で買いを入れたいです。
ただし、決算前にこの水準まで下がるかは不透明で、むしろ決算後に上方向へギャップアップする可能性もあります。
まだ確定ではありませんが、中国市場にはすでに一定のエクスポージャーがある状況です。
バイドゥ(BIDU)
(出所:TrendSpider)
バイドゥ(BIDU)も良い形になっています。直近高値をブレイクしそうな動きが見られます。
(出所:Snowball Analytics)
スイングポートフォリオのパフォーマンス
(出所:Snowball Analytics)
ポートフォリオは過去1か月で約6%の上昇となっており、S&P500(SPX)を引き続きアウトパフォームしています。
先週、一部の赤字銘柄についてはカバーしましたので、今回は含み益が出ている銘柄のうち、特にポートフォリオ内での比率が高いものについて取り上げます。
アーク・イノベーションETF(ARKK)
(出所:TrendSpider)
アーク・イノベーションETF(ARKK)は当ポートフォリオの中でも長期保有している銘柄の一つで、ここまで大きく成長してきました。
今回の調整を経て、次の上昇局面ではフィボナッチ1.618倍延長の73ドルまで上昇する可能性があると考えています。この水準に達したら利益確定を行う予定です。
PYPL(ペイパル)
(出所:TrendSpider)
ペイパル(PYPL)も堅調に推移しており、100ドル付近までブレイクアウトしそうです。
決算で急騰するようであれば、そこで売却する予定です。
SOL(ソラナ)
(出所:TrendSpider)
最後に、ソラナ(SOLUSD)はブレイクアウトを試みていますが、まだ明確な動きには至っていません。
しかし、セットアップとしては良い形になっており、400ドルに達したら一部利益確定を検討します。
本稿は以上となります。他にご質問があればお気軽にお知らせください。
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アナリスト紹介:ジェームズ・ フォード
📍米国マクロ経済&テクノロジー担当
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