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10 - 10 - 2024

TSMC(TSM)決算予想:10月17日14時(台湾時間)発表予定の2024年第3四半期決算では売上高は過去最高を記録?

ウィリアム・ キーティングウィリアム・ キーティング
  • 本稿では、注目の台湾半導体銘柄であるTSMC(TSM)の10月17日14時(台湾時間)に発表予定の2024年第3四半期決算予想を詳しく解説していきます。
  • TSMCは2024年9月の売上高が前月比0.4%増、前年同月比39.6%増となり、2024年第3四半期の売上は予測を上回り、同社の四半期売上として過去最高を記録しています。
  • 2024年第4四半期の売上は第3四半期をさらに上回る可能性があり、通年売上の成長率も予測に近い数値が期待されています。 

TSMC(TSM)は2024年9月の売上高を発表し、2,518.7億台湾ドルで、前月比0.4%増、前年同月比では39.6%増となりました。

2024年1月から9月までの累計売上高は2兆258.5億台湾ドルに達し、前年同期比で31.9%増加しています。

TSMC 月次売上高(台湾ドル:十億単位)

(出所:筆者作成)

それでは、TSMCの2024年第3四半期の売上は予測と比べてどうだったのでしょうか?

さらに、来週発表される2024年第4四半期の見通しについて、どのような内容が予想されるのかを見てみましょう。

予想為替レート32.5を基にすると、TSMCの2024年第3四半期の売上高は233.75億米ドルとなり、前回予想の上限をわずかに上回る結果となりました。

前期比では12%増、前年同期比では35%増となっています。

TSMCのガイダンス

(出所:TSMCのホームページ

TSMC 四半期別売上高および純利益(米ドル:十億単位)

(出所:筆者作成)

2024年第3四半期の売上高は、同社の四半期売上として過去最高を記録し、1つ前の四半期(2024年第2四半期)の記録を更新しました。

第4四半期の予測に移る前に、TSMCの今年これまでの業績を振り返ってみましょう。

台湾ドルベースでは前年同期比で31.9%増加しており、これを米ドル換算すると27.2%の増加となります。

第2四半期の決算発表時に、TSMCは通年の売上成長予測を米ドルベースで「20%台半ばをやや上回る水準」に引き上げました。

もし第4四半期の売上が第3四半期と同じ水準だった場合、2024年の通年売上は864億ドルとなり、24.9%の増加となります。

これは最新の予測にかなり近い数字です。

TSMCの過去8年間の傾向を見ても、第4四半期の売上は第3四半期よりも大きく伸びる傾向があることが分かります。

(出所:筆者作成)

第4四半期の売上が前期比で10%増加すると仮定すると、売上高は257億ドルとなります。

これにより、2024年の通年売上は888億ドルに達し、前年同期比で28.3%の増加となり、TSMCの2024年通年予測に非常に近い数字となります。

TSMC 年間売上高 2005年〜2023年(米ドル:百万単位)

(出所:筆者作成)

TSMCの次回決算発表は、2024年10月17日(木)14時(台湾時間)、米国東部時間では同日午前2時に行われます。それでは、発表を楽しみに待ちましょう。


アナリスト紹介:ウィリアム・キーティング

ウィリアム・キーティング氏は、インテル、AMD、サムスン、アップル、マイクロン・テクノロジー等の企業の製品、ロードマップ、技術、および、それらの企業の主要な装置サプライヤーである、ASMLAMAT、キヤノン、ニコン等を専門とする半導体 / テクノロジー・リサーチ・コンサルティング会社、Ingenuity (Hong Kong) Ltd.の創立者兼最高経営責任者(CEO)です。

キーティング氏は、半導体業界において重要性の高いニッチなテーマを専門としています。具体的には、ムーアの法則の将来性、特にムーアの法則(EUVSDANanoImprint)を維持するためのリソグラフィの重要性、音声、画像、パターン認識、暗号通貨マイニングのためのディープラーニング(ニューラルネットワーク)などの特殊なアプリケーションにおけるGPUやその他のカスタムアーキテクチャの役割と成長などが挙げられます。また、メモリの将来、特に3D NANDの台頭と新しいメモリ技術の出現について、定期的にクライアントとのディスカッションを開催しています。

Ingenuity (Hong Kong) Ltd.を設立する以前は、1992年から2014年までインテル・コーポレーションに勤務していました。当初はAIシステムのスペシャリストとして採用され、その後、同社の最先端の300mmファクトリーネットワークをグローバルにサポートするファクトリーオートメーションシステム(ロボット、データベース、ネットワーク、サーバー、クライアント等)の責任者となりました。2000年には、社内にITコンサルティング・グループ(IT Flex Services)を設立し、500人規模のグローバルチームに成長させ、同グループは現在もインテルのIT部門の中核を担っています。2005年には、APAC、中国、日本担当のIT部門のディレクターに任命され、同地域にあるインテルの全オフィスと製造施設のITシステム(インフラ、ネットワーク、データセンター、ERP、セールス、マーケティングシステム、ビジネスインテリジェンスなど)を統括していました。

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