01/15/2025

【半導体】TSMC(TSM)決算予想:2025年1月16日15時(日本時間)発表予定の2024年4Q決算は売上高は過去最高を更新?

city building during daytimeウィリアム・ キーティングウィリアム・ キーティング
  • 本稿では、注目の台湾半導体銘柄であるTSMC(TSM)の明日2025年1月16日の日本時間15時(台湾時間14時)発表予定の2024年度第4四半期決算予想を詳しく解説していきます。
  • TSMCの2024年第4四半期の売上高は、8,684億6,000万台湾ドルと過去最高を記録し、前年比57.8%増で予測中央値を上回る結果となりました。
  • AI需要の増加やPC市場の回復に支えられ、TSMCは2025年も引き続き成長を見込み、ファウンドリ業界全体の成長率を上回る10%台半ばの伸びが期待されています。
  • TSMCの株価は2024年の急上昇後も高値圏で推移しており、短期的な下落リスクがあるものの、私は長期保有を継続し同社の成長を注視していきたいと考えています。

TSMC(TSM)の2025年1月16日発表の2024年度第4四半期決算プレビュー

TSMC(TSM)は2024年12月の売上高が2,781億6,000万台湾ドルに達し、前月比0.8%増、前年同月比で驚異的な57.8%増となったことを発表しました。この数値は同社にとって12月として過去最高の売上高であり、月間売上高としても歴代2番目に高い記録となります。

TSMCの月間売上高推移(単位:百万台湾ドル)

(出所:筆者作成)

また、第4四半期(2024年)の売上高は8,684億6,000万台湾ドルとなり、同四半期の為替レート予測(1米ドル=32ニュー台湾ドル)に基づくと、27.14億米ドルに相当します。この金額は同社にとって四半期として過去最高の売上高であり、3四半期連続の記録更新となりました。

TSMCの四半期別売上高推移(単位:10億米ドル)

(出所:筆者作成)

そして、第4四半期(2024年)の売上高27.14億米ドルは、予測の中央値である26.5億米ドルを上回る結果となりました。

ガイダンス / 見通し

(出所:TSMCのHP

なお、現在の米ドル/台湾ドルの為替レートは、予測値の32から乖離し、本日時点で約33.3となっています。この為、明日の決算発表でTSMCが公表する米ドル建ての売上高と、我々が計算した数値に若干のズレが生じる可能性があります。

2024年通年のTSMCの売上高は、2兆8,943億1,000万台湾ドルに達し、前年比33.9%増となりました。この金額を予測為替レートの32で換算すると90.5億米ドルに相当し、米ドル換算でも前年比30.5%増となります。これは、第3四半期決算発表時に示された「米ドル換算で30%に近い成長」という最新予測をわずかに上回る結果となりました。

2003年から2023年の期間のTSMCの年間売上高推移(単位:100万米ドル)

(出所:筆者作成)

明日に控える決算では、今後、TSMCが今四半期および2025年通年の見通しについてどのようなガイダンスを示すのか、注目されます。では、私の予想に関して詳しく見ていきましょう。


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2024年が同社史上3番目に高い成長を記録した年となった後も、2025年はTSMC(TSM)にとってさらに成長する年になると考えています。まず、TSMCが複数年にわたり力強い成長を続けることは珍しいことではありません。直近では、2020年から2022年の3年間がその好例です。

(出所:筆者作成)

さらに、完全には収束しなかった市場全体の低迷が背景にあります。ただ、2025年には、AI搭載PCコンセプトに対する積極的なマーケティング投資により、PC市場が前年と比較してより高い成長を遂げる可能性が高いと考えています。また、TSMCが現在、インテル(INTC)向けのPC用CPUを大量に製造している点も見逃せません。インテルは「後半には18Aプロセスで自社生産に移行する」と主張しているものの、2025年を通じてTSMCでの製造が続くと見ています。最後に言うまでもなく、AIの加速需要がTSMCにとって引き続き成長の原動力となることは間違いないでしょう。

このような状況を踏まえると、予測に対して慎重な姿勢で知られるTSMCは、2025年も成長の年になると初期段階で見込む可能性が高いと考えられます。成長率はおそらく10%台半ば程度で、例によってファウンドリ業界全体の成長を上回るペースになるでしょう。

また、第1四半期(Q1)は通常、季節要因によって前四半期比で減少する傾向があります。ただし、例外的に2022年第1四半期にはパンデミックによる需要急増で成長を記録しました。

(出所:筆者作成)

そして、今四半期のガイダンスは、おそらく5%程度の減少になると予想しています。

明日のガイダンスに対して、市場やTSMCの株価がどのように反応するかは興味深いところです。現在、TSMCの株価は2024年に倍増した後、52週間の高値から10%下落した水準で推移しています。

TSMCの株価推移

(出所:Yahoo Finance)

前四半期に、優れた業績報告ながらもわずかに弱めのガイダンスに対して極端な反応が見られたことを考えると、明日の決算発表後にTSMCの株価が下落する可能性は十分にあると思います。いずれにしても、私は引き続き長期保有を継続するつもりで、もし下落幅が大きければ、さらに買い増す予定です。では、明日の決算後のアップデートもお楽しみにしていただければと思います!

その他のTSMC(TSM)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、TSMCのページにてご覧いただければと思います。

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さらに、直近では、同じく半導体セクターにおける注目銘柄であるエヌビディア(NVDA)とインテル(INTC)の株価が軟調な理由に関して下記のレポートも執筆しておりますので、併せてご覧いただければと思います。

エヌビディア(NVDA

インテル(INTC


アナリスト紹介:ウィリアム・キーティング

📍半導体&テクノロジー担当

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