強気ユニティー・ソフトウェア【テクノロジー】ユニティ・ソフトウェア(U:目標株価45ドル)とは?今後の株価見通しと将来性に迫る!
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- 本稿では、注目の米国テクノロジー関連銘柄である「ユニティ・ソフトウェア(U)とは?」という基礎的な内容から、2025年2月20日に発表された最新の2024年第4四半期決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- 同社は、新たな経営陣のもとで大きな変革を進めており、収益性の向上に注力しながら2025年までに3億5000万ドルのフリーキャッシュフローを目指しています。
- 短期的には売上への影響があるものの、戦略的な事業ポートフォリオは拡大しており、2025年後半には成長の加速と利益率の改善が期待されます。
- 最大のリスクは施策の実行と競争環境ですが、これらをうまく乗り越えれば、同社は今後18カ月でより収益性の高い企業へと生まれ変わる可能性があると考えています。
ユニティ・ソフトウェア(U)の最新の2024年度第4四半期決算発表を受け、ポートフォリオへの組み入れを決定!
2月20日発表の最新の2024年度第4四半期決算を受けて、ユニティ・ソフトウェア(U)を新たにポートフォリオに追加することを決定しました。
まず、ポートフォリオの2.5%分を購入し、4〜6週間後に、さらに2.5%分を追加購入する予定です。また、引き続き、どれほど魅力的で割安に見えても、ポートフォリオ内の如何なる銘柄に対しても、ポートフォリオの5%以上の投資は決して行わない方針を維持します。
また、私のポートフォリオの詳細は、インベストリンゴのプラットフォーム上より下記のレポートをご覧ください。
ユニティ・ソフトウェア(U)は、転換点を迎えている企業であると考えています。新たな経営陣が就任し、不採算事業を積極的に縮小しています。また、戦略的な事業ポートフォリオの成長に注力しており、2024年第4四半期には前年同期比4%の成長を記録しました。
また、重要なのは、次の四半期の業績ではなく、2025年後半にこの企業がどうなっているかを見据えることです。
そして、私は、同社に対して将来の予想フリーキャッシュフローの25倍という足元のバリュエーションを支払うのは合理的だと考えています。
以上より、2026年夏までの目標株価として1株あたり45ドルを設定しています。
では、私が同社をポートフォリオに追加するに至った背景を詳しく解説していきます!
ユニティ・ソフトウェア(U)を取り巻く重要な背景
私が好む投資機会のひとつは、大きな変革を迎えている企業への投資です。特に、新たなCEOが就任し、組織を抜本的に改革しようとしている企業は注目に値します。
その変革が良い方向に進むのか悪い方向に進むのかは分かりません。しかし、確実に変化が起こることは間違いありません。新しいCEOは、自らの存在感を示すために何かしらの行動を取ることが必然だからです。
私のイメージでは、新しいCEOが月曜日の朝に早起きして、会社を立て直すために全力で働く姿を思い描いています。
今回のユニティ・ソフトウェア(U)では、新しいCEO、新しいCFO、新しいCTOが揃っています。経営陣が一新されており、彼らには事業を立て直す強いインセンティブがあります。
これだけでは、必ずしも優れた投資案件になるとは限りません。しかし、私の経験上、新たなストーリーが展開される可能性がある企業を支援することに価値があると考えています。これが私の「転換点(Inflection)投資戦略」の根幹です。
読者の皆さんの中には、私が以前にペイパル(PYPL)、ペロトン・インタラクティブ(PTON)、テラドック・ヘルス(TDOC)で同じような投資手法を取ったことに気づいた方もいるかもしれません。私は、何度も見捨てられたような企業に注目してきました。これらの企業はフリーキャッシュフローを多く生み出すものの、成長が停滞している状態にあります。そして、新たな経営陣が入り、新たなストーリーを作り出す必要に迫られています。
このような状況は、私のインフレクション投資において非常に魅力的な条件だと考えています。では、ユニティ・ソフトウェアの詳細に関して見ていきましょう。
ユニティ・ソフトウェア(U)とは?
ユニティ・ソフトウェア(U)は、ゲーム業界にとどまらず、さまざまな業界でインタラクティブな3Dコンテンツを制作・成長させるためのゲーム開発プラットフォームを提供しています。
このプラットフォームは、開発の初期プロトタイピングから広告・収益化に至るまで、開発サイクル全体をサポートします。また、同社はAIを活用して開発者がプロジェクトを最適化できるよう支援しており、インタラクティブコンテンツ制作の包括的なソリューションとなっています。
さて、すでに少し触れましたが、同社は市場から見放された存在となっています。かつての栄光を失い、アップラビン(APP)の影に隠れた企業。それが現在の投資ストーリーです。
しかし、もし同社が多くの事業を縮小し、開発者に課していた物議を醸した手数料の一部を撤廃しているとしたらどうでしょうか? 一見すると、短期的な業績は厳しく見えるかもしれません。
考えてみてください。不採算事業を閉鎖したり売却したりすれば、当然ながら売上は落ち込みます。それは「悪いこと」のように思えますよね? しかし、実際には、弱い部分を切り捨てることで、同社はよりスリムで集中した、最終的にはより収益性の高いコア事業へと生まれ変わります。
ユニティ・ソフトウェアは、投資家に対して「戦略的なポートフォリオ」に注目してほしいと考えています。つまり、戦略的ではないポートフォリオは整理・縮小されているということです。この部分の売上は四半期ベースで前年同期比92%減少しており、同社はこれらの事業を完全に縮小しています。
しかし、今後の成長を担うのは戦略的なポートフォリオです。この部門の売上は前年同期比4%増加しており、同社が少しずつ成長軌道へ戻ることを示唆しています。
では、同社のファンダメンタルズをさらに詳しく見ていきましょう。
ユニティ・ソフトウェア(U)の売上高:2025年第1四半期以降、売上成長率は改善する見込み
ユニティ・ソフトウェアの売上高成長率(%)
(出所:筆者作成)
ユニティ・ソフトウェア(U)は、2025年第1四半期の売上が前年同期比8%減少するとの慎重な見通しを示していますが、市場の投資家はこの数字を受け入れる可能性が高いと見ています。なぜなら、同社が事業の一部を縮小しているストーリーに徐々に納得し始めているからです。
そして、ここで特に注目すべきなのは、2025年第1四半期を過ぎると、前年同期との比較(コンパラブル)が大幅に改善し始める点です。
つまり、「比較対象が緩和される」+「新しい成長ストーリー」 という強力な組み合わせが生まれるのです。これこそが、転換点(インフレクション)投資の本質です。この点を理解できれば、今回の投資ストーリーも理解できるはずです。
もう少しわかりやすく説明します。私は今の状況だけを見て判断している訳ではありません。時計を12カ月進めてみましょう。
その頃には、同社は数四半期連続で成長率の加速を報告している企業になっているかもしれません。さらに、AIに関連する話題性のあるキーワードが加われば、この投資ストーリーは自然と形を成していくでしょう。
ユニティ・ソフトウェア(U)のバリュエーション:将来の予想フリーキャッシュフローの25倍
ユニティ・ソフトウェア(U)は約7億5000万ドルの純負債を抱えています。これは柔軟性の高い強固なバランスシートとは言えません。この点については十分理解しており、ここで一定の妥協をしていることを明確にしておきたいです。
私が特に注目している投資ストーリーは、同社が2024年に2億8600万ドルのフリーキャッシュフローを生み出したという点です。
さらに、決算説明会では株式報酬による希薄化を2%未満に抑えることを目指すという積極的な議論が行われています。
加えて、2025年第1四半期を過ぎれば利益率が拡大する見通しであることも同社自身が述べています。
したがって、私は2025年の同社のフリーキャッシュフローが3億5000万ドル程度に達すると考えています。これに基づくと、現在の株価は将来の予想フリーキャッシュフローの25倍という水準になります。しかし、ここで重要なのは、2025年は事業の適正化を進める年であるということです。
そして、2026年には、事業が軌道に乗り、最大5億ドルのフリーキャッシュフローを生み出す可能性もあります。
ユニティ・ソフトウェア(U)を取り巻くリスク要因
私の投資ストーリーの大部分は、ユニティ・ソフトウェア(U)が非戦略的な事業を縮小し、新しいサブスクリプションビジネスモデルが2025年第1四半期以降に本格的に成長軌道に乗ることを前提としています。
この進捗は非常に慎重に見守るつもりです。つまり、私は経営陣が単なる「ストーリー」を語るだけでなく、実際に成長を実現し、事業を立て直せるかを確認したいと考えています。
また、Unity Vectorへの移行が広告事業に影響を及ぼす可能性もあります。ユニティ・ソフトウェア自身も、その恩恵をすぐには完全に享受できないことを認めています。
さらに、ゲーム業界ではEpic GamesのUnreal Engineとの競争が激化しており、特にハイエンドなゲーム開発分野ではUnreal Engineのシェア拡大が進んでいます。
広告分野においても、同社はモバイル広告市場を支配するアップラビン(APP)のような大手企業と競争 しなければなりません。
ユニティ・ソフトウェア(U)に対する結論
私のユニティ・ソフトウェア(U)に対する投資ストーリーは、「財務の規律」によって推進される転換点(インフレクション)を捉えたものです。
同社は不採算事業を整理し、戦略的な領域に集中することで、利益率を向上させ、フリーキャッシュフローの成長を加速させようとしています。
確かに、短期的な売上は落ち込みます。しかし、2025年末には3億5000万ドル以上のフリーキャッシュフローを生み出す企業となり、将来の予想フリーキャッシュフローの25倍という割安な水準で取引される可能性があると考えています。
そして、最大のリスクは「経営陣の実行力」です。彼らが計画を遂行できれば、18カ月後には根本的に異なる企業へと生まれ変わるでしょう。
それこそが、私が投資したい、「転換点を迎えた企業」の姿です。
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加えて、今回の決算では、新たにトースト(TOST)、アップラビン(APP)、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)、ファイバー・インターナショナル(FVRR)、アップスタート・ホールディングス(UPST)、アトラシアン(TEAM)をポートフォリオに追加しており、下記の詳細な分析レポートも執筆しておりますので、インベストリンゴのプラットフォーム上より併せてご覧いただければと思います。
ファイバー・インターナショナル(FVRR)
アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
📍テクノロジー&エネルギー担当
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