強気アップスタート・ホールディングス【フィンテック】アップスタート・ホールディングス(UPST)とは?今後の株価見通しと将来性に迫る!
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- 本稿では、注目の米国フィンテック関連銘柄であるアップスタート・ホールディングス(UPST)の2025年2月11日に発表された最新の2024年第4四半期決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- アップスタート・ホールディングスは、AIを活用した融資プラットフォームを提供しており、2025年に売上10億ドル達成と黒字化を見込んでいます。
- 2026年夏までに株価150ドルを目標に、ポートフォリオの2.5%分を追加し、今後4~6週間でさらに2.5%を追加投資する計画です。
- 財務基盤にはリスクがあるものの、AIモデルの改良や新製品の成長により、収益性向上と急成長を期待しています。
アップスタート・ホールディングス(UPST)の最新の2024年度第4四半期決算発表を受け、ポートフォリオへの組み入れを決定!
アップスタート・ホールディングス(UPST)は、賛否が分かれる銘柄です。この銘柄を避けたくなる理由は無数にありますし、過去に大きな損失を出した方もいるかもしれません。私も、そのすべての理由を理解しています。
それでも、私が自身のポートフォリオに同社を新たに追加する理由は、私自身の経験を信じているからです。
この企業は今、ストーリーが大きく転換する局面にあると見ています。成長するAI関連銘柄として認識されつつあり、業績の立て直しに成功し、2025年後半からは本格的に利益を拡大していくと考えています。
「目標株価:2026年夏までに1株150ドル」
確かに、すでに同社株価は30%以上上昇しています。それでも、私は今ポートフォリオに追加すべきであると考えました。
・本日、ポートフォリオの2.5%分を追加します。
・今後4~6週間以内に、株価が下がったタイミングでさらに2.5%を追加投資する予定です(下落局面は必ず訪れると考えています)。
・その後は、2026年夏に株価が150ドルに到達するまで何もせずに待つ予定です。
なぜアップスタート・ホールディングス(UPST)なのか? なぜ今なのか?
アップスタート・ホールディングス(UPST)は、おそらく説明不要の企業でしょう。これは、従来の銀行よりも良い条件で融資を受けられるようにする貸付プラットフォームであり、いわば「現代版FICOスコア提供企業」です。
通常の信用スコアだけではなく、AIモデルを活用して借り手の本当のリスクを評価するため、より多くの人がより良い金利で融資を受けることができます。
借り手にとっては、従来の金融機関では借りられなかったかもしれない手頃なローンを利用できるというメリットがあります。銀行や貸し手にとっても、より賢い貸付が可能となり、貸し倒れリスクの低減につながります。
要するに、同社は融資の精度を向上させる企業なのです。もちろん、過去の問題についても十分に承知しています。むしろ、その問題について本を書くことさえできるほどです。
しかし、大切なのは過去ではなく未来です。現在、同社は大きく復活しつつあります。2021年から2023年にかけて苦境に立たされていたものの、AIモデルの改良と経済環境の改善により、融資件数(つまり貸付)が急増し、売上も大きく伸びています。
また、新たに展開する自動車ローンなどの製品も急成長しており、銀行や投資家からの資金調達も順調に進んでいます。この流れが続けば、2025年は飛躍の年となる可能性が高く、収益性の向上やAI技術のさらなる発展が期待されます。
補足ですが、同社は自社でローンを保有するのではなく、より多くのローンを外部へ売却する計画を立てています。確かに、2024年第4四半期には需要に応じて自社のローン保有額を増やしましたが、今後は四半期ごとに適切な資金調達とローン管理を行い、バランスを保つ方針です。
アップスタート・ホールディングス(UPST)の売上高成長率は驚異的
アップスタート・ホールディングスの売上高成長率(%)
(出所:筆者作成)
アップスタート・ホールディングス(UPST)は、2025年の売上を約10億ドルと見込んでいます。これは市場予想を大幅に上回るもので、市場のアナリストは2026年以降にならないと同社の売上が10億ドルに達しないと予測していました。
つまり、同社は大幅に売上の前倒しを実現しただけでなく、前年比65%の成長を見込んでいるのです。
2023年を通じて、同社は90日先のガイダンスを提供するのが精一杯であり、四半期ごとの決算発表と同時にしか業績見通しを出せませんでした。しかし、2025年のスタート時点でいきなり通年のガイダンスを示したことで、2025年は大きな飛躍の年となる可能性が高まっています。
この発表には本当に驚かされました。
アップスタート・ホールディングス(UPST)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの90倍
アップスタート・ホールディングス(UPST)のバランスシートは、同社の成長を妨げる要因の一つでした。投資家は、同社の負債が膨らんでいると見ており、そのため投資を敬遠していたのです。
例えば、同社のバランスシートを見ると、純負債は約6億1,500万ドルに達しています。これは、時価総額が90億ドルの企業としては、現金比率が時価総額の6%程度しかないということを意味します。つまり、財務基盤はまだ決して強固とは言えず、これは明らかにリスク要因として考慮すべき点です。
一方で、同社は2025年第3四半期からGAAPベースで黒字化すると主張しています。これは、2025年前半から後半にかけて、収益性が着実に向上していくことを意味します。
したがって、2025年初めはEBITDAの伸びが緩やかかもしれませんが、最終的には年末までに2億2,000万ドル程度に達すると見込まれています。
これは、EBITDAが2024年の1,000万ドルから2025年には2億ドル超へと急拡大するということです。まさに驚異的な成長です!
仮に同社のフリーキャッシュフローが最終的に1億ドル程度に留まったとしても、現在のキャッシュバーン(現金消費)の状態からは大きな改善となり、成長の大きな要因となるでしょう。
同社は急速に成長し、収益性を劇的に向上させていることから、魅力が詰まっているように見えます。
アップスタート・ホールディングス(UPST)を取り巻くリスク要因
アップスタート・ホールディングス(UPST)を「銀行」として考えてみてください。確かに、AIフィンテック企業という洗練されたストーリーを前面に出していますが、実態としては銀行のようなビジネスモデルです。そして、銀行と同様に、バランスシートのレバレッジを増やせば増やすほど、売上成長も加速します。
しかし、もし同社の借入が際限なく増加し続けた場合、投資家が株価の再評価を進めることは難しくなるでしょう。
もう一つの懸念点は、同社のビジネスモデルが経済の強さに大きく依存している点です。もし景気が後退すれば、消費者の借入意欲が低下し、それに伴い同社のローン需要も減少する可能性があります。
さらに、景気が悪化すれば、延滞(デフォルト)が増加し、同社の審査基準が損失を出す可能性も高まります。この場合、同社のサービスに対する需要も減少することになります。
アップスタート・ホールディングス(UPST)に対する結論
アップスタート・ホールディングス(UPST)は今、転換点を迎えていると考えています。ローンの貸出件数は急増しており、2025年の売上は10億ドルを見込んでいます。また、2025年第3四半期には黒字化を達成し、EBITDAは2024年の1,000万ドルから2025年には2億ドルへと急拡大する見通しです。これは、AIを活用した事業の本格的な復活を示しています。
時間外取引で株価は30%上昇しましたが、市場はまだUpstartの変革を過小評価しているように見えます。成長の加速と収益性の向上を踏まえると、2025年夏までに1株あたり150ドルに到達する可能性は十分にあると考えており、新たにポートフォリオに組み入れることにしました。
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パランティア・テクノロジーズ
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アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
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