12/27/2024

【高配当】ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WES)配当金は0.875ドルで予想配当利回り8.8%は魅力的?

a truck driving down a dirt road next to a fieldイアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • 本稿では、注目の米国高配当株であるウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WES・予想配当利回り8.80%・配当性向92%・1株当たり配当金0.875ドル)の2024年11月6日に発表された最新の2024年度第3四半期決算と配当推移の分析を通じて、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズは、天然ガスや原油の収集・輸送を行うエネルギーインフラ企業で、業界をリードする能力と安定した財務パフォーマンスが特徴です。
  • 2024年第3四半期決算では、EPSや売上高が前年同期を上回り、粗利益率も過去10年で最高水準を記録するなど、収益の成長性とコスト効率が示されました。
  • 同社の予想配当利回りは8.80%と高水準で、インカム投資家に魅力的ですが、配当性向の高さや負債水準に対する注意が必要とされています。

ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WES)の概要


セクター:石油・ガス

現在の株価:39ドル

時価総額:151.4億ドル

過去5年間の配当成長率:-1.90%

直近配当落ち日:2024年11月1日

直近配当支払い日:2024年11月14日

予想配当利回り:8.80%

過去5年間の売上高成長率:-1.60%

過去10年間の売上高成長率:1.50%


関連用語

安全マージン(Margin of Safety):株式の本質的価値(本来の価値)とその市場価格との間にある差のこと。投資家はこの差を利用して、予想が外れた場合や市場の変動によるリスクを軽減するための「安全な余裕(マージン)」を確保する。例えば、本質的価値が100円の株が市場で80円で取引されている場合、その20円の差が安全マージンとなる。この差が大きいほど、投資のリスクが低くなるとされている。

売上高成長率:企業の売上高が前年と比べてどれだけ増加したかを示す割合で、企業の成長スピードや市場での競争力を評価するための指標。一般的にプラス成長が望ましく、高いほど企業の成長力が強いと言える。


足元の株価推移

(出所:筆者作成)

ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WES・予想配当利回り8.80・配当性向92%1株当たり配当金0.875ドル)は、米国テキサス州ウッドランズに本社を置くエネルギーインフラ企業です。

同社は、天然ガス、原油、天然ガス液(NGL)の収集、処理、圧縮、輸送に特化したミッドストリームサービスを提供しています。

主な事業エリアは、ロッキー山脈(コロラド州、ユタ州、ワイオミング州)、中部地域(カンザス州、オクラホマ州)、北東ペンシルベニア州、そしてテキサス州に広がっています。

これらの地域での活動により、エネルギー資源の効率的な流通を支える重要な役割を果たしています。

同社のユニークな特徴は、高品質なエネルギーインフラ資産を所有し、これを通じて効率的かつ信頼性の高いサービスを提供している点です。

特に、天然ガスの収集・処理能力において業界をリードしており、収益の安定性を確保しています。

財務面では、同社は安定した収益性を維持しつつ、増加傾向にある営業利益率を示しています。

また、配当性向は92%と高めですが、堅実な配当支払いを維持しており、2024年の予想配当利回りは約8.80%と、配当収入を重視するインカム投資家にとって魅力的な水準です。

また、1株当たりの配当は0.875ドルで安定しており、今後も増配が期待される可能性があります。

総じて、WESは安定したキャッシュフローと配当支払いを通じて、配当株としての魅力を提供しつつ、投資家にエネルギー分野での成長機会を提供する企業です。

そして、同社は2024116日に2024年第3四半期決算を発表しており、下記では同社の最新の決算と財務パフォーマンス、並びに配当推移を詳しく分析していきます。

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ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WES)の最新の2024年度第3四半期決算発表に関して

ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WES2024116日に発表された、最新の2024年度第3四半期決算発表では、非経常損益項目を除くベースでのEPSは0.75ドルを記録し、前四半期の0.806ドルや2024年第1四半期の0.842ドルからわずかに減少していますが、前年同期の0.682ドルからは増加しています。

この年々の改善は、同社の過去5年間の年平均成長率(CAGR)である4.90%、および、10年間の年平均成長率である12.10%とも一致しています。

また、1株当たり売上高は2.309ドルで、2024年第2四半期の2.369ドルからは若干減少したものの、2023年第3四半期の2.017ドルを上回り、長期的な成長が見て取れます。

同社の粗利益率は76.62%と、10年間で最高の水準を記録しました。

これは過去5年間の中央値である69.63%や10年間の中央値である65.62%を大幅に上回り、効率的なコスト管理と運営の成功を示しています。

一方、自社株買い取引においては、過去1年間の自社株買い比率が-0.30%と、最近ではほとんど自社株の買戻しが行われていない状況です。

これに対し、過去3年間の自社株買い比率は2.80%であり、長期的には一定の株式削減が進められてきたことが分かります。

因みに、自社株買い比率がマイナスである場合、通常、発行株式数が買戻し株式数を上回り、株式価値がやや希薄化していることを意味します。

今後の見通しについて、市場のアナリストは同社の売上高が2024年に36億9247万ドル、2026年には40億4531万ドルに達すると予測しています。

さらに、2025年の年間EPSは3.930ドルと見込まれており、2026年には3.531ドルにやや減少すると予測されており、収益成長に対して慎重な見通しが示されています。

次回の決算発表は2025年2月21日に予定されており、ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズの財務状況や戦略的展望に関するさらなる情報が得られるでしょう。

非経常損益項目を除くベースでのEPS

(年間ベース:直近4四半期の合計値

(出所:筆者作成)


関連用語

EPS(Earnings Per Share、1株当たり利益):企業が一定期間内に得た純利益を、その期間中に発行されている株式の総数で割った値のこと。EPSは、株主が1株あたりどれだけの利益を得たかを示す指標であり、企業の収益力を評価する際によく用いられ、EPSが高いほど、一般的にはその企業が効率的に利益を上げていると判断される。

非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI):非経常的な収益や費用(例: 一時的な訴訟費用や災害損失)を除いた後の1株当たりの利益(EPS)。これにより、通常の業績をより正確に反映することが可能。

希薄化後EPS:既存株主にとって、潜在的に新しい株式が発行された場合(例: ストックオプションや転換社債の行使)に、1株あたりの利益(EPS)がどの程度薄まるかを考慮したもの。

1株当たり売上高:企業の総売上高を発行済株式数で割った値で、1株あたりが生み出す売上を示しており、企業の売上規模と株式の価値を評価するのに役立つ。

粗利益率:売上高に対する粗利益の割合を示す指標。企業が商品やサービスを販売した際に、売上から直接かかったコスト(売上原価)を差し引いて得られる利益の割合を計算する。粗利益率が高いほど、企業が商品やサービスから得られる利益が大きいことを意味する。

自社株買い比率:企業が自社の発行済み株式を買い戻した割合を示す指標。この比率は、過去の一定期間において企業がどれだけ自社株を買い戻したかを示しており、通常は1年間の比率として表される。具体的には、買い戻された株式数をその期間の発行済株式総数で割ることで計算される。高い比率は、企業が積極的に自社株を買い戻し、EPS(1株当たり利益)を押し上げる可能性があることを示唆している。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WES)の財務パフォーマンスに関して

ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WESの財務パフォーマンスを、投下資本利益率(ROIC)と加重平均資本コスト(WACC)の観点から分析していきます。

同社は優れた財務パフォーマンスと効果的な資本配分を示しており、その証拠として、足元ではROICが一貫してWACCを上回っています。

過去5年間の中央値ではROICが10.90%、WACCが13.63%であり、この期間には価値創出がやや困難だった可能性が示唆されます。

しかし、現在のROICは13.15%と、現在のWACCである8.06%を上回っており、このプラスの差分は、同社が投下資本を効率的に活用し、資本コストを超えるリターンを生み出していることを示しています。

これにより、株主に経済的価値を提供していることが明確です。

さらに、現在の自己資本利益率(ROE)は49.37%と非常に高く、強い収益性と自己資本の効果的な活用を示しています。

過去10年間のデータでは、ROEの最高値が51.28%、最低値が11.52%であることから、同社が長期的に安定して株主価値を創出していることが裏付けられます。

全体として、ROICが一貫してWACCを上回っていることは、同社の高い財務健全性と価値創出能力を際立たせる要因となっています。

投下資本利益率(ROIC)加重平均資本コスト(WACC)の比較

(出所:筆者作成)


関連用語

総資産利益率(ROA: Return on Assets):企業が保有する全ての資産を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算は純利益を総資産で割ることで算出され、ROAが高いほど、企業が資産を効率的に運用していることを示す。

自己資本利益率(ROE: Return on Equity):企業が株主の出資(自己資本)を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算は純利益を自己資本で割ることで算出され、ROEが高いほど、株主にとって効率的な運用が行われていることを示す。

投下資本利益率(ROIC: Return on Invested Capital):企業が投下資本(株主資本+負債)を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算はNOPAT(税引後営業利益)を投下資本で割ることで算出され、ROICが高いほど、企業が効率的に資本を運用していることを示す。

ジョエル・グリーンブラット氏の資本利益率(ROC: Return on Capital):株主資本と長期負債の合計である資本に対して、どれだけの利益(NOPAT)を生み出しているかを示す指標。ROICと同様に、資本の効率的な運用を評価する。

加重平均資本コスト(WACC: Weighted Average Cost of Capital):企業が資金を調達する際に必要となる平均的なコストを示す指標で、株主資本と負債のコストを加重平均して求める。WACCが低いほど、企業の資本コストが低く、投資がより利益を生む可能性が高くなる。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WES)の配当に関して

ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WESは配当実績で注目に値する成果を上げており、過去5年間の配当成長率は-1.90%とわずかにマイナスである一方で、過去3年間の配当成長率は17.10%と高い水準を維持しています。

最新の四半期では、1株当たり配当が0.875ドルと安定しており、前期から増加しています。

この安定性は、セクター内でも競争力のある予想配当利回り8.80%を支える要因となっています。

配当性向は92.0%と高めではあるものの、過去10年間の最高値である101.52%から低下しており、利益による配当のカバー率が改善していることを示しています。

また、同社の過去10年間の予想配当利回りの中央値は6.27%であり、現在の利回りはこれを大きく上回っています。

このことは、同社の配当が平均以上の魅力を持つことを示唆しています。

債務に関しては、EBITDA有利子負債倍率が3.05倍で、適度な範囲内にあります。

基本的には、EBITDA有利子負債倍率は2倍以下であれば財務リスクが低く、4倍以上であれば財務リスクが高いことを示すとされています。

ただし、債務水準は管理可能とみられるものの、高リスクの水準に近いため、引き続き注意深い監視が必要でしょう。

将来については、今後3~5年の配当成長率が12.02%と予測されており、利益が現在の水準を維持できれば、さらなる配当増加が期待されます。

次回の配当落ち日は、四半期ごとの配当が続けば2025年2月1日頃になる見込みです。

予想配当利回り:8.80%

配当性向:92%

配当カバレッジ・レシオ:1.35倍

過去5年間の配当成長率: -1.90%

EBITDA有利子負債倍率:3.05倍

DPS(Dividend Per Share):1株当たりの配当金

(出所:筆者作成)

Dividend Yield:予想配当利回り

(出所:筆者作成)

Dividend Payout:配当性向

(出所:筆者作成)


関連用語

1株当たりの配当金:企業が株主に支払う配当金を、発行されている株式の総数で割った値。これにより、株主が保有する1株あたりに受け取ることができる配当金の金額が示される。

配当成長率:企業が過去数年間にどれだけ配当金を増加させたかを示す割合。配当成長率が高いほど、企業が株主に対して利益を還元する意欲が強いことを示す。

予想配当利回り:企業が次年度に支払うと予想される配当金を現在の株価で割った割合。投資家にとって、どれだけのリターンを配当として受け取ることができるかの見込みを示す。

配当性向:企業の純利益に対して、どれだけの割合を配当金として支払っているかを示す指標。計算は、配当金を純利益で割って算出され、配当性向が高すぎると、企業の成長投資に使える資金が減少する可能性がある。

EBITDA有利子負債倍率:EBITDA(税引前利益、利払い、減価償却前の利益)に対する有利子負債の割合を示す。企業の有利子負債が利益によってどれだけカバーできるかを示す指標で、低いほど財務的な健全性が高いとされている。

配当カバレッジ・レシオ:企業の利益が、支払われる配当金をどれだけ上回っているかを示す指標。計算は、利益(通常は純利益かEBITDA)を配当金で割ることで算出され、配当カバレッジ・レシオが高いほど、配当が持続可能であると考えられている。

配当王:50年以上にわたり連続して配当を増やし続けている企業。これに該当する企業は、長期間にわたり安定した利益成長と配当支払いを維持していることを示している。

配当貴族:25年以上連続して配当を増やしている企業。これも安定した配当成長を実現している企業に与えられる称号。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WES)のバリュエーションに関して

ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WESの現在の株価は39.79ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である33.85ドルよりも低い水準にあり、安全余裕率(マージン)が-17.55%となっていることから、割高である可能性が示唆されています。

また、直近12カ月(TTM)の実績ベースの株価売上高倍率倍は4.3倍で、過去10年間の中央値3.44倍を上回り、売上高に基づく評価では割高であることが分かります。

さらに、実績PBRは4.68倍で、10年間の中央値4.01倍をわずかに上回り、簿価に対して若干のプレミアムが付いている可能性を示しています。

加えて、直近12カ月(TTM)の実績ベースの株価フリーキャッシュフロー倍率は12.04倍で、過去10年間の中央値と一致しており、キャッシュフローに基づく評価は過去の傾向と整合しています。

一方で、直近12カ月(TTM)の実績PERは10.15倍で、過去10年間の中央値である14.49倍を下回っており、歴史的な基準から見ると割安感があると考えられます。

ただし、予想PERは11.24倍で、収益成長に対して控えめな期待を反映しています。

また、直近12カ月(TTM)の実績EV/EBITDA倍率は8.39倍で、過去10年間の中央値10.89倍を下回り、EBITDAに基づく企業価値の観点からは割安感を示しています。

これらのバリュエーション指標は全体的に混在しているものの、現在の株価が過去の評価水準と比較してプレミアムで取引されている傾向が見受けられます。

さらに、市場のアナリストの見解は安定しており、現在の目標株価の平均は40.14ドルとされ、過去数カ月間でほとんど変動がありません。

この安定性は、アナリストが現在の株価水準から大きな変動を予測していないことを示しており、同社の成長見通しとリスクに対するバランスの取れた見方を反映しています。

以上より、これらのバリュエーション・データや市場のアナリストの意見を考慮すると、同社は十分な安全余裕率を提供しているとは言い難く、投資家は自身のリスク許容度や投資戦略に基づいて慎重に判断する必要があるでしょう。

(出所:筆者作成)


上記グラフにおける関連用語

Price:現在の株価

Yiazou Value:弊社算出の一株当たり本質的価値

DCF (FCF Based):フリーキャッシュフローに基づくDCF法を用いて算出した理論株価

DCF (Earnings Based):収益に基づくDCF法を用いて算出した理論株価

Median P/S:株価売上高倍率の中央値ベースの理論株価

Perter Lynch:ピーター・リンチ氏のバリュエーション計算方法に基づく理論株価

赤線:上記の各バリュエーション手法により算出された理論株価の平均値


関連用語

実績PER(Price Earnings Ratio):過去1年間の実績ベースの1株当たり利益(EPS)に対する現在の株価の倍率。企業が過去にどれだけの利益を上げたかに基づいて、株価が割安か割高かを評価する指標。

予想PER(Forward PER):予想される1株当たり利益(来年度のEPS予想)に対する現在の株価の倍率。将来の利益見込みに基づいて、株価が割安か割高かを評価する指標。

PEGレシオ(Price/Earnings to Growth Ratio):PERを企業の利益成長率で割った指標。成長率を考慮した株価の割安・割高を判断するために使われ、一般的に1以下が割安とされる。

株価売上高倍率(Price to Sales Ratio, PSR):企業の売上高に対する現在の株価の倍率。売上高に対して株価がどれだけの価値を持つかを示す指標で、低いほど割安とされる。

株価フリー・キャッシュフロー倍率(Price to Free Cash Flow Ratio, P/FCF):企業がフリー・キャッシュフロー(営業キャッシュフローから資本的支出を差し引いた金額)に対する現在の株価の倍率。企業のキャッシュフロー創出能力に対して株価が割安か割高かを判断する。

EV/EBITDA倍率(Enterprise Value to EBITDA Ratio):企業価値(EV:株式時価総額+負債−現金)をEBITDA(税引前利益、利払い、減価償却前の利益)で割った指標。企業全体の価値に対する収益力を評価するために用いられる。

PBR(Price to Book Ratio, 株価純資産倍率):企業の純資産(簿価)に対する現在の株価の倍率。株主資本に対して株価がどれだけの価値を持つかを示し、1倍以下だと市場での評価が純資産を下回っているとされる。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WES)のリスクとリターンに関して

ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WESのリスク・リターン評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたいと思います。

同社は、リスクとポジティブな要素が混在する財務状況を持つ企業です。

まずマイナス面では、同社は過去3年間で7億7621万2000ドルの長期債務を発行しており、レバレッジや財務の安定性に対する懸念を引き起こしています。

さらに、配当性向が92%と高水準である一方で、特に過去5年間で1株当たり売上高が減少している現状では、配当の持続可能性に疑問が残ります。

また、株価売上高倍率(PSR)が過去5年の高水準に近づいており、株価の割高感を示している可能性があります。

一方、ポジティブな面として、ピオトロスキーのFスコアが8であり、同社の財務状況が健全であることを示しています。

これにより、高い収益性、流動性、運営効率が確保されていると考えられます。

また、ベニッシュのMスコアが-2.88であり、利益操作のリスクがほとんどない点は投資家にとって安心材料です。

さらに、営業利益率の拡大は、コスト管理や運営効率の向上を裏付けています。

これらのポジティブな要因は、同社の財務リスクをある程度緩和する可能性がありますが、投資家は引き続き債務水準や配当の持続可能性に注意を払う必要があるでしょう。


関連用語

財務レバレッジ:企業が負債をどれだけ活用して資産を増やしているかを示す指標。高い財務レバレッジはリスクを伴うが、うまく活用すればリターンが増加する可能性もある。 目安は業界によって異なるが、一般的には2~3倍が理想とされ、高すぎると財務リスクが高まるとされている。

アルトマンのZスコア:企業の財務健全性を評価するための指標で、特に倒産リスクを予測するのに用いられる。複数の財務指標を組み合わせて計算され、Zスコアが低いほど倒産リスクが高いとされる。目安としては、3.0以上は安全、1.8未満は倒産リスクが高いとされている。

ベネッシュのMスコア:企業が財務報告において不正行為や収益の過大計上を行っている可能性を評価する指標。スコアが高いと、財務操作のリスクが高いとされ、-2.22以下で不正の可能性が低いとされている。

ピオトロスキーのFスコア:企業の財務健全性や成長性を評価するための指標で、9つの財務指標に基づいてスコアが付けられる。スコアが高いほど、財務状況が健全であると評価される。目安としては、7〜9は財務状況が非常に健全、4〜6は平均的、0〜3は財務上の懸念がある可能性が高いとされている。

インタレスト・カバレッジ・レシオ(利息カバレッジ比率):企業が稼いだ利益(通常は営業利益)が、支払わなければならない利息に対してどれだけ余裕があるかを示す指標。計算式は、営業利益 ÷ 利息費用。目安としては、2倍以上が望ましいとされ、これは企業が利息の2倍以上の利益を稼いでいることを意味し、財務的な余裕があると評価される。逆に、1倍以下だと、利息の支払いが困難になる可能性があり、財務リスクが高まる。

ベンジャミン・グレアム:現代のバリュー投資の父と呼ばれる著名な投資家であり、経済学者。「証券分析」や「賢明なる投資家」などの著書を通じて、企業の本質的価値に基づいて株を割安に買うというバリュー投資の概念を広めた人物。彼の投資哲学は、リスクを抑えつつ堅実なリターンを得ることを目指し、多くの投資家に影響を与えている。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WES)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

過去1年間、ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WES)のインサイダー取引はややばらつきがあり、特に最近では売却が目立っています。

この12カ月間でインサイダーによる同社株式の買い付けは7件、売却は2件と、年初には一定の自信を示していたと考えられます。

しかし、過去6カ月間では買い付けが一切なく、売却が2件発生しており、インサイダーの見解が変化した可能性を示唆しています。

特に、過去3カ月および6カ月間で買い付けが行われていないことは、現在の株価がインサイダーにとって魅力的な買い時と認識されていない可能性を示しています。

ただし、インサイダーの株式保有率はわずか0.62%と低いため、インサイダーの行動が株価に与える影響は限定的と言えます。

一方で、プロの機関投資家は41.3%の株式を保有しており、これによりプロの機関投資家の動向や市場評価が株価の動きに大きな影響を及ぼす可能性があります。

全体的に見ると、最近のインサイダー取引は控えめですが、機関投資家の高い保有率は同社に対する外部からの関心と信頼を反映していると考えられます。

インサイダー(内部関係者)による売買

(出所:筆者作成)


関連用語

インサイダーによる自社株式の保有比率:企業の経営陣や役員、主要株主(一般的に10%以上の株式を保有する人)が、その企業の株式をどれだけ保有しているかを示す割合。インサイダーが多くの株式を保有している場合、彼らが企業の将来に自信を持っていると見なされることが多い。

機関投資家による株式の保有比率:投資ファンドや保険会社、年金基金などのプロの機関投資家が、その企業の株式をどれだけ保有しているかを示す割合。機関投資家の保有比率が高いと、その企業が市場で信頼されていると判断されることがある。


ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WES)の流動性に関して

ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WES)は、流動性が中程度であることを示しています。

過去2カ月間の1日平均出来高は1,439,127株で、投資家から安定した関心が寄せられていると考えられます。

しかし、直近の取引日の出来高は366,215株と大幅に減少しており、投資家の関心が一時的に低下した可能性や、市場イベントや特定のニュースが取引量に影響を与えた可能性が示唆されます。

また、同社のダークプール指数(DPI)が26.56%という点も重要です。

DPIがこの水準にあることは、取引の4分の1以上がダークプール(非公開の証券取引市場)で行われていることを意味し、透明性や価格発見のプロセスに影響を与える可能性があります。

これらのデータから、同社は一般的には十分な流動性を持っているものの、ダークプール取引の多さや取引量の減少は、投資家のセンチメントや機関投資家による戦略的な取引の影響を反映している可能性があります。

今後、ダークプールでの取引活動や取引量の減少が継続する場合、株式の流動性やボラティリティに影響を及ぼす可能性があるため、引き続き注意深く監視する必要があるでしょう。


関連用語

ダーク・プール(私設取引所):株式などの金融商品が公開市場(例えば証券取引所)ではなく、非公開の場で取引されるプラットフォームのこと。ダーク・プールでは取引の内容(注文の価格や数量)が一般に公開されないため、大量の株式を売買する際に市場に与える影響を最小限に抑えることができる。主に機関投資家が利用し、取引の透明性が低い点が特徴。

ダーク・プール指数(DPI):ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。


また、インベストリンゴのインカム・高配当株担当アナリストであるヴェンカット・ ラガーヴァン氏が、同社に関する下記のより詳細なレポートを執筆しております。

もし詳細に関心がございましたら、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上より、併せてご覧いただければと思います。

さらに、その他のウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズ(WESに関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、ウェスタン・ミッドストリーム・パートナーズのページにアクセスしていただければと思います

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アナリスト紹介:イアニス・ゾルンパノス氏

📍バリュー&インカム・テクノロジー担当

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インベストリンゴでは、弊社のアナリストが、高配当関連銘柄からAIや半導体関連のテクノロジー銘柄まで、米国株個別企業に関する動向を日々日本語でアップデートしております。そして、インベストリンゴのレポート上でカバーされている米国、及び、外国企業数は250銘柄以上となっております。米国株式市場に関心のある方は、是非、弊社プラットフォームよりレポートをご覧いただければと思います。

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