中立ウェルズ・ファーゴウェルズ・ファーゴ / WFC / 予想配当利回り2.48% / 中立:最新の24年1Q決算と今後の株価見通し・将来性
イアニス・ ゾルンパノス- ウェルズ・ファーゴ(WFC:予想配当利回り2.48%)は、貸借対照表上に約1兆9,000億ドルの資産を有する米国最大級の銀行である。
- 消費者金融、商業銀行、法人・投資銀行、富裕層・投資管理の4つの主要セグメントを有する。
- そして、同行は2024年4月12日に24年度第1四半期決算を発表している。
ウェルズ・ファーゴ(WFC)の概要
セクター:銀行
現在の株価:58ドル
時価総額:$2056.9億ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:25.365ドル
安全マージン:-131.57%
過去5年間の配当成長率:-9.60%
直近配当落ち日:2024年2月1日
直近配当支払い日:2024年3月1日
予想配当利回り:2.38%
過去5年間の売上高成長率:3.30%
過去10年間の売上高成長率:3.20%
ウェルズ・ファーゴ(WFC)は、貸借対照表上に約1兆9,000億ドルの資産を有する米国最大級の銀行である。
消費者金融、商業銀行、法人・投資銀行、富裕層・投資管理の4つの主要セグメントを有しており、ほぼ全面的に米国市場に注力している。
そして、同行は2024年4月12日に24年度第1四半期決算を発表している。
ウェルズ・ファーゴ(WFC)の収益と成長に関して
ウェルズ・ファーゴ(WFC)の24年度第1四半期の非経常損益項目を除くベースでのEPSは1.2ドルとなり、前四半期の0.86ドルから改善した。
加えて、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は5.70%で、過去10年間の年平均成長率は-2.40%となっており、直近5年間の業績は着実な成長軌道を示していると言える。
一株当たり売上高も前四半期の5.6ドルから第1四半期は5.795ドルに増加している。
また、今後10年間の銀行・金融業界成長予測を見ると、景気拡大、デジタルトランスフォーメーション、金融サービス需要の増加など、様々な要因による成長が見込まれ、見通しは明るいと言える。
さらに、歴史的に同行は適度な財務レバレッジを維持しており、これが着実な成長を可能にしてきた。
同行にはさらなる成長の可能性があるが、引き続き、過度なリスクを避けるためにレバレッジを慎重に管理する必要があるだろう。
全体として、ウェルズ・ファーゴの24年度第1四半期の業績は、前向きなモメンタムと将来の持続的成長の可能性を示していると見ている。
ウェルズ・ファーゴ(WFC)の配当に関して
ウェルズ・ファーゴ(WFC)の過去5年間の配当成長率は-9.60%であることからも、過去5年間の同行の配当支払いは減少していることを示している。
しかし、過去3年間の配当成長率は2.10%とプラスであることからも、足元の配当パフォーマンスは改善していることを示している。
また、予想配当利回りは2.48%で、現在の株価に基づくと投資家への配当経由でのリターンは中程度であることを示唆している。
そして、同行は一貫して配当金を支払っており、直近の1株当たり配当金(DPS)は0.35ドルに設定されている。
配当支払い頻度は四半期ごとで、直近の支払いは2024年3月1日であった。
加えて、同行の配当実績をセクターと比較すると、同行の配当成長はセクター並み、或いは、まちまちといった水準である。
以上より、同行の過去5年間の配当成長率はマイナスであったが、最近の過去3年間の成長率はプラスの勢いを示している。
そのため、投資家は、ウェルズ・ファーゴの配当支払いの持続可能性と成長性を評価するために、今後の配当発表と財務実績を注意深く監視すべきである。
予想配当利回り:2.48%
配当性向:28%
配当カバレッジ・レシオ:3.55
5年間の配当成長率:-9.60%
ウェルズ・ファーゴ(WFC)のバリュエーションに関して
ウェルズ・ファーゴ(WFC)の現在の株価は58ドルとなっており、弊社算出の一株当たり本質的価値である25.36ドルを大幅に上回っており、割高である可能性を示している。
一方で、実績PERは12.26となっており、株価が利益に対して妥当な倍率で取引されていることを示唆している。
ただし、株価売上高倍率は2.63と業界平均より高く、同業他社に比べ同行の売上1ドルに対して投資家がより多くの金額を支払っていることを示している。
さらに、5年平均や10年平均と比較すると、同行の現在のバリュエーション指標は潜在的な割高感を示している。
ウェルズ・ファーゴ(WFC)のリスクとリターンに関して
ウェルズ・ファーゴ(WFC)のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まずマイナス面では、過去3年間における449億ドルの長期債務発行は、債務水準の大幅な増加を示しており、財務の安定性にリスクをもたらす可能性がある。
さらに、株価水準と株価売上高倍率はそれぞれの最高水準に近く、潜在的な割高感を示唆している。
加えて、予想配当利回りの低さも、投資家への配当を通じたリターン不足の可能性を示している。
一方でプラス面では、ピオトロスキーFスコアの8は健全な財務状況を反映しており、ベニッシュMスコアの-2.38は同行が利益操作をしている可能性の低さを示唆している。
また、同行の一貫した売上高と利益の伸びは、ある程度の安定性をもたらしている。
結論として、ウェルズ・ファーゴは財務の健全性と成長性において強みを持つが、高い負債水準と潜在的な株価の割高感は、投資家が考慮すべき重大なリスクと言えるだろう。
ウェルズ・ファーゴ(WFC)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
ウェルズ・ファーゴ(WFC)は、過去12ヶ月間、インサイダーによる同行株式の買い付けが1件、そして売却が1件と、最小限のインサイダー取引しか行われていないことが分かる。
また、インサイダーによる同行株式の保有比率は僅かに0.20%である点にはご留意いただきたい。
一方、機関投資家の保有比率は57.36%と比較的高く、機関投資家が同行に大きな関心を持っていることを示唆している。
また、機関投資家の保有比率に比べてインサイダー保有比率が低いことは、機関投資家が同行の意思決定プロセスにより大きな影響力を持っていることを示唆している可能性がある。
ウェルズ・ファーゴ(WFC)の流動性に関して
ウェルズ・ファーゴ(WFC)の流動性は高く、過去2ヶ月の1日平均出来高は18,655,988株で、直近営業日の1日当たりの出来高は18,817,367株となっており、同行株式に一貫した取引が行われていることが分かる。
また、同行株式のダークプール指数(DPI)は60.01%で、取引活動のかなりの部分が公開取引所ではなくダークプールで行われていることを示唆している。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。
以上より、ウェルズ・ファーゴ株式は依然として妥当なレベルの取引量を維持しており、投資家が市場で株式を売買するのに十分な流動性があることを示している。